ロシア マリウポリの港を掌握と主張 首都キーウ攻撃も示唆

ウクライナ東部への攻撃を続けているロシア軍は、要衝マリウポリの港を掌握したと主張するなど、市内の完全掌握に向けて攻勢を強めているとみられます。さらにロシア国防省は「ウクライナ軍はロシア領内への攻撃を企てており、その場合は首都キーウの意思決定の機関を攻撃する」として、ゼレンスキー政権を強くけん制しました。

ロシア国防省は13日、ウクライナ各地をミサイルなどで攻撃し、東部ハルキウ州にあるウクライナ軍の施設を破壊したなどと発表しました。

また東部の要衝マリウポリについて、ロシア軍などの攻撃を受け、ウクライナ軍の兵士1000人以上が武器を捨てて投降したと主張したほか、商業用の港を掌握したと発表し、市内の完全掌握に向け、攻勢を強めているとみられます。

さらに国防省のコナシェンコフ報道官は、「ウクライナ軍がロシア領内の施設に対して破壊工作や攻撃を企てている。その場合はロシア軍はこれまで自粛してきた首都キーウを含む意思決定の機関を攻撃する」と述べ、ウクライナのゼレンスキー政権を強くけん制しました。

一方、ウクライナ側はロシア軍がまもなくウクライナ東部への大規模な戦闘に乗り出すのではないかと警戒を強めていて、欧米各国も今月に入りウクライナに戦車や地対空ミサイルシステム「S300」を供与するなど、軍事支援を強化しています。

これに対しロシア外務省のリャプコフ外務次官は、13日「ウクライナ領を横断して兵器や弾薬を運ぶアメリカやNATO=北大西洋条約機構の輸送手段については、合法的な軍事目標と見なす」と述べ、欧米側に強く警告しました。

キーウ市民の反応は

ロシアがウクライナの首都キーウなどを再び攻撃する可能性を示したことについて、キーウに住む男性は「キーウはこれまでも攻撃されていて、怖いと思うことはやめた。ロシアに抵抗しているのは政治家だけでなく、すべての国民だ」と述べ、ロシアがウクライナを支配することはできないと強調しました。

また、キーウ市内で近郊から避難してきた母親と一緒に住む女性は「怖いと思うが、ここは私たちの国だからどこにも逃げたりはしない。今回の軍事侵攻によって、世界中がロシアの本当の姿を理解したと思う。最後はウクライナが勝つと信じている」と話していました。