ロシアからの天然ガス供給停止 ドイツ経済約30兆円のダメージ

ロシアからドイツへの天然ガスの供給が止まった場合、ヨーロッパ最大のドイツ経済はおよそ30兆円にのぼるダメージを被り、深刻な景気後退に陥るという見通しが明らかにされました。

これは、ドイツを代表するIFO経済研究所など5つの経済研究所が13日、ベルリンで共同で記者会見を開いて発表したものです。

それによりますと、ロシアからドイツへの天然ガスの供給が止まった場合、ドイツ経済は、この先2年間で、2200億ユーロ、日本円にしておよそ30兆円にのぼるダメージを受けるとしています。

これは、ドイツのGDP=国内総生産のおよそ6.5%にあたり、その場合、ことしの成長率は1.9%にとどまり、来年はマイナス2.2%に落ち込むと見込んでいます。

キール経済研究所のクートス副所長は、会見で、「ウクライナでの戦争が景気回復に水をさしている。仮に、ロシアからのガスがとまれば、ドイツ経済は、来年、深刻な景気後退に陥る可能性が高い」と指摘しました。

ヨーロッパでは、ロシアへの制裁を一段と強化するべきだという意見が強まっており、自国経済への影響も大きいロシア産の天然ガスの輸入禁止に踏み切るかどうかが議論の焦点となっています。