新型コロナ 感染示す抗体の保有率 東京と大阪で5%余り

新型コロナウイルスの抗体をどれだけの人が持っているかを調べるため、厚生労働省がことし2月から先月にかけて行った調査結果の速報値が公表され、実際に感染したことを示すタイプの抗体を持っていた人は東京都や大阪府で5%余りだったことが分かりました。

厚生労働省は、感染の「第6波」を迎えていたことし2月2日から先月6日にかけて、5つの都府県の合わせて8000人余りを対象に抗体の保有率を調査し、13日開かれた厚生労働省の専門家会合で結果の速報値を公表しました。

それによりますと、新型コロナウイルスに実際に感染した場合にだけ得られるタイプの抗体の保有率は▽東京都で5.65%、▽大阪府で5.32%、▽宮城県で1.49%、▽愛知県で3.09%、▽福岡県が2.71%で、去年12月の前回調査と比べてそれぞれ1.2倍から2倍程度、増加していました。

いずれも調査時点でのそれぞれの都府県の人口に占める累計の感染者数の割合と同程度の水準だったということです。

また、ワクチン接種でも得られるタイプの抗体については、いずれの都府県でも96%以上の人が持っていましたが、厚生労働省によりますと今回の結果からは発症や重症化などの予防に十分な免疫があるかどうかは分からないということです。

専門家会合の脇田隆字座長は「専門家会合では、詳細な分析は必要だが、無症状で検査ができていないという感染者はほとんどいないのではという指摘が出た」と話しています。

松野官房長官「今後の動向を注視」

松野官房長官は、午前の記者会見で「きのうの厚生労働省の専門家会議で、大都市部は感染レベルは高いが、増加速度は比較的緩やかなのに対し、一部の地方都市では急速に感染が拡大していると分析・評価されていて、今後の動向を注視する必要がある」と述べました。

そのうえで「政府としては、しばらくは平時への移行期間として最大限の警戒を保ち、保健医療体制を堅持して、ワクチン接種の促進や学校、高齢者施設などにおける感染防止策の強化に取り組んでいく。国民にも感染リスクの高い行動を控え、マスクの着用など基本的な感染防止策の徹底をお願いしたい」と述べました。