歯の治療素材 パラジウム合金の材料価格 来月臨時に引き上げへ

歯の治療に使われる銀歯などの素材のパラジウム合金の価格が高騰していることから、診療報酬を決める際の基になる材料価格が来月、臨時に引き上げられることになりました。
厚生労働省は、患者の負担も180円程度増えるとしています。

ウクライナへの侵攻を続けるロシアへの経済制裁などに伴って、歯の治療に使われる銀歯や詰め物の素材のパラジウム合金の価格が高騰し、日本歯科医師会などは医療機関の経営が影響を受けているとして、政府に支援策を求めています。

13日に開かれた中医協=中央社会保険医療協議会の総会では、医療機関に支払われる診療報酬を決める際の基になる材料価格を来月、臨時で見直すとした厚生労働省の案が示されました。

委員の中からは「患者の負担に直結するため、補助金で対応することも検討すべきだ」などと、見直しに反対する意見も出されましたが、協議の結果、厚生労働省の案は了承されました。

パラジウム合金の材料価格は3か月に1度見直される仕組みになっていて、今月から30グラム当たり9万4470円に引き上げられたばかりですが、来月からはさらに10万2390円に引き上げられることになりました。

厚生労働省によりますと、保険診療の患者が奥歯の複雑な治療をした場合、窓口負担が180円程度増えるということです。