韓国 ユン次期大統領 外相候補にパク・チン氏 指名を発表

韓国のユン・ソギョル(尹錫悦)次期大統領は来月発足する新政権の外相候補に、外交政策に詳しいベテランの国会議員、パク・チン(朴振)氏を指名すると発表しました。
パク氏は日本との関係改善が必要だという考えを示していて、日米韓3か国の連携を重視する次期政権の立場を反映した人事とみられます。

韓国のユン・ソギョル次期大統領は13日午後、新政権の閣僚候補8人の人事案を新たに発表しました。

このうち外相候補には、ベテラン国会議員で外交政策に詳しいパク・チン氏を指名すると発表しました。

パク氏は、アメリカのハーバード大学などのほか、日本にも留学経験がある当選4回の議員で、国会で外交分野の委員会の委員長などを歴任しています。

ユン氏はパク氏について「対米外交の戦略に精通している。韓国が国際社会で中心的な役割を果たすことに貢献すると判断した」と述べました。

パク氏は今月ユン氏がアメリカに派遣した代表団の団長を務め、アメリカ政府高官との会談後には日本との関係改善が必要だという考えを示していて、日米韓3か国の連携を重視する次期政権の立場を反映した人事とみられます。

パク・チン氏とは

パク・チン(朴振)氏は、首都ソウル出身の65歳。

現在の保守系最大野党「国民の力」に所属する、4回当選のベテラン国会議員です。

パク氏は、1977年に韓国外務省に入省したあと、アメリカのハーバード大学やイギリスのオックスフォード大学で政治学などの学位を取得したほか、東京大学にも1年間留学した経験があります。

こうした経歴をかわれてキム・ヨンサム(金泳三)政権では、大統領府の広報秘書官に起用され、外国の首脳との会談で大統領の通訳も務めました。

2002年に国会議員に初当選したあとは、統一外交通商委員会の委員長を歴任するなど、外交政策に精通している議員の代表格となりました。

とりわけ「アメリカ通」として知られ、2008年に、当時アメリカ上院の外交委員長だったバイデン大統領と単独で懇談したほか、およそ半世紀にわたりアメリカとの懸け橋となってきた韓米協会で2020年まで会長を務めました。

また、日本の国会議員と交流する韓日議員連盟に所属し、去年11月にも東京を訪問するなど、日韓間の議員外交にも精力的に携わってきました。

統一相などの候補者も発表

北朝鮮との関係を担う統一相の候補者には、国会の情報委員会委員長や駐中国大使などを歴任したベテラン国会議員、クォン・ヨンセ氏が指名されました。

また、法相候補には、ユン氏が検事だった当時に、ともに汚職事件などの捜査にあたったハン・ドンフン氏が指名されました。

ハン氏は、いまの与党が成立を目指している、検察の捜査権を原則なくす法案に対して「阻止されなければならない」と述べていて、今後、人事案に関する聴聞会で厳しい追及を受けることが予想されます。

13日は閣僚のほか大統領府を統括する秘書室長の候補者も発表され、経済政策に詳しく保守系のイ・ミョンバク政権で大統領府の政策室長などを務めたキム・デギ氏が選ばれました。

松野官房長官「関係改善のため意思疎通していきたい」

松野官房長官は、午後の記者会見で「発表は承知しているが、他国の内政に関する動向にコメントすることは差し控えたい」と述べました。

そのうえで「国際社会が時代を画する変化に直面する中、健全な日韓関係はルールに基づく国際秩序を実現し、地域と世界の平和、安定、繁栄を確保するうえでも不可欠だ。国交正常化以来築いてきた友好協力関係の基盤に基づき日韓関係を発展させていく必要があり、ユン次期大統領のリーダーシップに期待したい」と述べました。

また、ユン次期大統領の就任式への対応について「現時点で具体的に決まっていることはないが、日韓関係改善のため次期大統領をはじめ新政権と適時適切なレベルで意思疎通をしていきたい」と述べました。