岸田首相 “まん延防止 直ちに適用が必要な状況ではない”

新型コロナ対策をめぐり、岸田総理大臣は新規感染者数が増加傾向にあるものの、病床の使用率が低い水準にあることなどから、直ちにまん延防止等重点措置の適用が必要な状況ではないという認識を示しました。

13日の参議院本会議では、経済安全保障の強化を図る法案の内容などをめぐって質疑が行われ、岸田総理大臣が出席しました。

この中で岸田総理大臣は、新型コロナの感染状況について「足元で新規感染者数は地域による違いがあるものの、全体としては増加傾向にある」と述べました。

そのうえで「病床使用率、重症病床使用率は低い水準にあり、すでに重症化リスクの高い高齢者の85%がワクチンの3回目接種を完了している。現時点で都道府県からまん延防止等重点措置の要請はなく、直ちに重点措置が必要な状況とは考えていない」と述べました。

また、観光やイベントなどの需要喚起策の開始時期について「現時点で直ちに始めることは考えていない」と述べ、感染状況などを見極めながら慎重に検討していく考えを示しました。

一方、13日審議入りした経済安全保障の強化を図る法案について、岸田総理大臣は「経済安全保障は多岐にわたる新しい課題であり、法制上の手当てが必要な喫緊の課題に対応するため制度整備を行うものだ」と述べ早期成立への理解を求めました。

官房長官「知事や専門家とも連携して適切に対応」

松野官房長官は、午後の記者会見で「現時点で都道府県から要請はなく、直ちに必要な状況とは考えていない。平時への移行期間として、新型コロナ対策の全体像で準備してきた保健医療体制をしっかりと稼働させていくことを基本に、感染状況や医療の状況を注視しつつ、知事や専門家とも連携して適切に対応していく。新型コロナワクチンの若い世代の3回目接種も促進していく」と述べました。

また、イベントなどの需要喚起策の開始時期について「感染状況や専門家の意見などを踏まえ総合的に判断する。個別の都道府県での実施は都道府県の意向を踏まえることになっている」と述べました。

山際コロナ担当相「重点措置 考える状況にはない」

山際新型コロナ対策担当大臣は、記者会見で「感染が爆発しなければ、まん延防止等重点措置を考える必要はないと思っている。今の状況であれば、重点措置を考える状況にはない」と述べました。

また、沖縄の新規感染者数が増加傾向にあることに関連し「基本的には、やはりワクチンをしっかりと打っていくことと、検査をしっかりすることによって、感染している方としていない方をきちんと区別することを強力にやらなくてはならない。特に高齢者施設に感染者が触れないようにする手立ても必要だ。国と沖縄県の両者でしっかり対応する」と述べました。