ウクライナ被害どこで何が 東大研究者ら デジタル地図で伝える

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中、被害を示す衛星画像などの位置情報を解析して、どこで何が起きたか伝えるデジタルの地図を東京大学の研究者らが作りました。地図はインターネットで公開され、いま起きている被害をより深く知るための手がかりにしてほしいとしています。

東京大学大学院の渡邉英徳教授の研究チームは、アメリカの企業などが日々配信している衛星画像や現地で撮影された映像などを収集し、正確な位置を割り出してウクライナのどこで何が起きたか伝えるデジタルの地図を作りました。

被害を示す画像はこれまでに多く公開されていますが、正確にどこなのかを割り出すことは難しく、研究チームは、収集したおよそ180枚の衛星画像について、影の向きや地形の特徴などから詳しい撮影場所を特定してウェブサイトに掲載しています。

また、ドローンで撮影された映像などをもとに、被害を3D画像で立体的に再現していて、たとえば、ウクライナの首都、キーウ北西にあるボロジャンカで被害を受けたマンションは1階から最上部までが崩落し、部屋からは炎が上がるなど被害の深刻さを感じられるようにしています。

さらに、ロシア軍の車両や戦闘機が置かれた場所も地図上で位置を特定していて、侵攻の状況も分かるようになっています。

渡邉教授は「点ではなく線や面として捉え直すことで、リアルタイムで起きていることをより深く知るための手がかりになる。関係のない場所での被害ではなく、自分たちと地続きの出来事として考えるきっかけにしてほしい」と話しています。

※URLは「https://cesium.com/ion/stories/viewer/?id=8be6f99c-0d4c-46ce-91a3-313e3cac62fe」