プーチン大統領「軍が目標達成疑いない ロシアの孤立不可能」

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻でロシア軍の苦戦が伝えられる中、プーチン大統領は「軍が目標を達成することに疑いはない」と述べました。

プーチン大統領は12日、極東のアムール州で建設を進める新しい宇宙基地「ボストーチヌイ」を訪れ、新型ロケットの発射台などを視察しました。

このあと、プーチン大統領はロシアの宇宙開発をアピールする行事で、ウクライナへの軍事侵攻について言及し、ロシア軍の苦戦が伝えられる中、「軍が目標を達成することに疑いはない」と述べました。

また、「ウクライナ東部の住民を救うためほかに選択肢はなかった」と改めて侵攻を正当化したうえで「われわれは孤立するつもりはなく、今の世界でロシアのような大国を孤立させることは不可能だ」と述べ、欧米などから厳しい制裁を科される中であくまで強気の姿勢を示しました。

現地にはロシアと同盟関係にあるベラルーシのルカシェンコ大統領も招かれ首脳会談が行われていて、プーチン大統領は冒頭、経済制裁を念頭に「いわゆる外圧にもかかわらず両国の経済関係は順調に発展している」と述べました。

首脳会談でプーチン大統領はウクライナでの作戦状況を説明するとともに、欧米に対抗するための結束を確認するものとみられます。

「ボストーチヌイ」 バイコヌール宇宙基地にかわる拠点に

ロシアのプーチン政権は、宇宙開発を重要な国家プロジェクトの1つに位置づけていて、宇宙に向けてロケットなどを打ち上げる新たな拠点として、極東のアムール州に宇宙基地の建設を進めてきました。

宇宙基地は、ロシア語で「東」を意味する「ボストーチヌイ」と名付けられ、国営の宇宙開発公社「ロスコスモス」は2016年、この基地から人工衛星を搭載したロケットの打ち上げに初めて成功したと発表しました。

「ロスコスモス」は2025年には有人ロケットの打ち上げを行う方針を示していて、ソビエト時代から利用している中央アジアのカザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地にかわる、宇宙開発の拠点としたい考えです。

プーチン大統領がこの宇宙基地を訪れる4月12日は、61年前の1961年、旧ソビエトの宇宙飛行士、ガガーリンが人類初の宇宙飛行に成功した日で、ロシアでは、国民が誇りを抱く特別な記念日として祝われています。

プーチン大統領としては、軍事侵攻を続けるウクライナで苦戦が伝えられる上、ロシア国内で反戦を呼びかける声も相次ぐ中、記念日にあわせて、新しい宇宙基地の意義をアピールすることで、国威発揚につなげたい狙いがあるものとみられます。