上海 11日ぶりに感染者数が前日下回る 外出制限緩和の地区も

新型コロナウイルスの感染が拡大してきた中国の上海では、11日、一日の感染者が11日ぶりに前の日の感染者数を下回りました。感染者が一定期間確認されなかった地区では外出制限を緩和する措置が始まっていますが、当局は、これらの地区でも不要不急の外出を控えるよう呼びかけ、警戒を緩めていません。

上海では、新型コロナウイルスの感染者が11日、無症状の人を中心に2万3342人確認されました。

10日に比べて2700人余り減っていて、一日の感染者数が前の日を下回ったのは3月31日以来、11日ぶりです。

上海では直近の14日間、新たな感染者が確認されなかった地区について、範囲を限定して外出を認める措置が11日から始まっていて、地元メディアは、外出が認められた住民が食料などの買い物に出かける様子を伝えています。

ただ、一日の感染者数が2万人を超す状況は続いていることから、市の当局は12日の記者会見で、制限が緩和された地区でも不要不急の外出を控え、住宅の敷地内で行動するよう呼びかけるなど、警戒を緩めていません。

緩和対象の地区でも実際は外出制限のところも

一方、NHKの取材では、制限が緩和されたとされる地区の中にも、実際にはこれまでどおり外出を厳しく制限されているところもみられ、混乱が続いています。

上海西部にあるNHK上海支局のカメラマンが住むマンションは、直近の14日間、新たな感染者が確認されなかったとして、外出制限が緩和される対象地区に含まれています。

しかし、12日午前の時点でも、マンションの出入り口は閉ざされたままで、依然として部屋の外に出ることすら認められていません。

また、マンション周辺の道路では、物資を配送する車やバイクが時折通る以外は、これまでどおり人影は少なく、閑散とした状況が続いています。