ウクライナ軍 “ロシア軍が有毒物質使用” 米「状況を注視」

ロシア軍がウクライナ東部への攻勢を強める中、東部マリウポリで戦闘を続けるウクライナ軍のアゾフ大隊は11日、SNSに「ロシア軍が有毒な物質を使った」などと投稿しました。
アメリカ国防総省の報道官は、「現時点では確認できず、状況を注視する」としています。

東部マリウポリで戦闘を続けるウクライナ軍のアゾフ大隊は11日、SNSに「ロシア軍がマリウポリでウクライナ軍の兵士と市民に対し有毒な物質を使い、複数の人が呼吸困難の症状を示している」などと投稿しました。

これについてアメリカ国防総省のカービー報道官は11日、声明を発表し「われわれはロシア軍がウクライナのマリウポリで化学兵器の可能性があるものを使用したとするソーシャルメディア上の報告を承知しているが、現時点では確認できず、引き続き、状況を注視する」としました。

そのうえで「これらの報告がもし事実であれば深く懸念すべきことだ」と指摘しました。
また、イギリスのトラス外相はツイッターに「われわれは詳細の確認を急いでいる」と投稿しました。
化学兵器をめぐって、これまでアメリカのバイデン大統領は、ロシアがウクライナに対して使用した場合には「相応の対応をとる」と述べ、けん制していました。

松野官房長官「生物化学兵器の使用は容認されない」

松野官房長官は、閣議のあとの記者会見で「マリウポリでロシア軍が化学兵器を使用した可能性があるとの報道を承知しているが、他方で、化学兵器の攻撃は確認されていないとの報道も承知しており、引き続き、現地の情勢を注視していく必要がある」と述べました。

その上で「日本政府として、生物化学兵器の使用は、いかなる場所、主体、状況でも容認されない。4月7日のG7=主要7か国の外相声明でも、生物化学兵器のいかなる使用も受け入れられず、深刻な結果をもたらすことになる旨警告しており、引き続き国際社会と連携しながら対応していきたい」と述べました。