フィンランドとスウェーデン NATOに加盟申請の見方 英メディア

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中、イギリスのメディアは軍事的中立を掲げてきた北欧のフィンランドとスウェーデンが、早ければこの夏にもNATO=北大西洋条約機構への加盟を申請するという見方を伝えました。

フィンランドやスウェーデンでは、ロシアのウクライナへの軍事侵攻を受けてNATO加盟をめぐる議論が活発になっていて、このうちロシアとおよそ1300キロに及ぶ国境を接するフィンランドでは、先月の世論調査で加盟を支持する人が62%に達しました。

イギリスの新聞「タイムズ」は11日、複数のアメリカ当局者の話として、両国が早ければこの夏にもNATOへの加盟を申請するという見方を伝えました。

今月行われたNATOの外相会合でも両国の加盟が議題になったとしています。

フィンランドでは近く安全保障をめぐる議論が議会で始まる予定で、マリン首相は夏の半ば前には結論を出したいという考えを示しています。

また、スウェーデンでも安全保障政策の見直しが進められていて、アンデション首相は加盟を排除しないという考えを明らかにしています。

NATOのストルテンベルグ事務総長は今月5日の記者会見で「最近、両国の首脳たちと緊密にやり取りをしている」として、加盟を申請した場合、歓迎する意向を示しました。

両国は、これまで軍事的に中立の立場を続けてきただけに、仮にNATOに加盟した場合、ロシアによる対抗措置への懸念も出ています。

ロシア ペスコフ報道官「同盟は平和と安全をもたらさない」

イギリスのメディアが、軍事的中立を掲げてきた北欧のフィンランドとスウェーデンが、早ければこの夏にもNATO=北大西洋条約機構への加盟を申請するという見方を伝えたことについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は11日「この軍事同盟は対立の道具になっていると、われわれは繰り返し言ってきた。同盟は平和と安全をもたらさないし、その拡大も、ヨーロッパ大陸にさらなる安全を与えるものではない」と述べ、NATOの動きを強くけん制しました。