ロシアからの石炭禁輸方針 企業間で調達先切り替えの動き

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて、政府がロシアからの石炭の輸入を段階的に削減し最終的に禁止する方針を示す中、企業の間では石炭の調達先をロシア以外の国に切り替える動きが広がっています。

ロシアの軍事侵攻に対して日本や欧米各国は経済制裁を強化していて、政府はロシアへの追加の制裁措置として石炭の輸入を段階的に削減し、最終的に禁止する方針を示しています。

こうした中、企業の間では石炭の調達先をロシア以外の国に切り替える動きが進んでいます。

このうちセメント業界最大手の太平洋セメントは、生産過程で使用する石炭のおよそ6割をロシアから輸入してきましたが、ウクライナ情勢を受け、オーストラリアやアメリカからの調達を増やしています。
政府の方針を受け、ロシアからの輸入をさらに減らす方針です。

また、住友大阪セメントも昨年度は使用する石炭のおよそ8割をロシアから輸入していましたが、調達先の切り替えを進めています。

一方、段ボール大手のレンゴーはこれまで使用する石炭のすべてがロシア産でしたが、ことし夏までにロシアからの輸入を取りやめ、インドネシア産などに切り替える方針です。今後は石炭の使用量そのものを減らす取り組みも進めることにしています。

このほか、鉄鋼メーカーや電力会社の間でも調達先を切り替える動きが広がっています。

ただ企業の間では石炭価格のさらなる高騰を懸念する声もあり、今後、企業の収益にも影響を及ぼす可能性があります。