ロッテ佐々木朗希が完全試合達成 28年ぶり16人目

プロ野球・ロッテの佐々木朗希投手が10日、千葉市で行われたオリックス戦で28年ぶり16人目となる完全試合を達成しました。
また、この試合で佐々木投手は13者連続で三振を奪い、プロ野球記録を64年ぶりに更新しました。

4月10日 14:00開始(千葉)         
     |123|456|789|計HE
オリックス|000|000|000|000
ロッテ  |100|005|00x|690       
勝利投手 佐々木(朗)2勝0敗 防御率1.57
敗戦投手 宮城    0勝2敗 防御率6.48

5回まで13者連続 計19の奪三振 記録ずくめの完全試合

佐々木投手は10日、千葉市のZOZOマリンスタジアムで行われたオリックス戦に先発しました。

10日は、自己最速に並ぶ164キロをマークするなど160キロ台のストレートと落差のあるフォークボールがさえ、1回2アウトとしたあと、3番・吉田正尚選手から空振り三振を奪うと、5回の3アウトまで13者連続で三振を奪いました。
終盤も160キロ台をマークするなど球威が衰えなかった佐々木投手は9回2アウトまでランナーを1人も許さず、最後は代打の杉本裕太郎選手からこの試合、19個目となる三振を奪って完全試合を達成しました。

1人のランナーも出さない完全試合は、平成6年に巨人の槙原寛己投手が達成して以来、28年ぶり16人目です。また20歳5か月での達成は史上最年少です。

また、この試合で佐々木投手は13者連続の奪三振で64年ぶりにプロ野球記録を更新したほか、1試合19個の奪三振では27年ぶりにプロ野球記録に並び、記録ずくめの完全試合となりました。

これまでの連続奪三振のプロ野球記録は、昭和32年7月に当時阪急の梶本隆夫投手、また、昭和33年5月に当時東映の土橋正幸投手がマークした9連続奪三振でした。

「キャッチャーの松川を信じて投げた」

佐々木朗希投手は、試合後のインタビューで記録ずくめのピッチングになったことについて「最高です」と満足そうな顔で話しました。

また、完全試合を意識していたかについて問われ「正直あまり意識していなく、打たれてもいいかなと思いながらキャッチャーの松川を信じて投げた」と話しました。

また、13者連続で三振を奪いプロ野球記録を更新したことについて「キャッチャーの松川がいいリードしてくれてその要求に応えて投げられた。ストライク先攻で早いカウントで勝負できたことがよかった」と振り返っていました。

そして「次回もいいピッチングができるように引き続き頑張ります」と笑顔で話しました。
また、試合後、取材に応じた佐々木投手は「多くの選手におめでとうと言ってもらえてうれしかったです。ことしのシーズン最初に登板した楽天戦があまりよくなかったので、その反省をここ2試合しっかり生かして脱力しながらストライク先行で投げ、しっかり心をコントロールしながら最後まで投げ切ることができた」と試合を振り返りました。

プロ野球記録に並ぶ19奪三振については「しっかり、キャッチャーの松川を信じて投げ切ることができました。ただ、特に三振はねらわず、バックを信じて投げることができたかなと思います」と冷静に話しました。

そのうえで、今後に向けて「まだシーズンは始まったばかりなので、1年間、ローテーションをまわれるようにきょうもしっかりとケアして、次の登板に向けて、調整したいと思います」と話していました。

【投球成績】

【オリックス】   1回  2回  3回  4回   
 投球数105球=  10球 13球 13球 14球  
1(右)後藤駿太 |二ゴ|  |  |空K|  
2(三)バレラ  |一ゴ|  |  |見K|  
3(指)吉田正尚 |空K|  |  |空K|  
4(一)ラベロ  |  |空K|  |  |  
5(中左)福田周平|  |空K|  |  |  
6(左)西村凌  |  |空K|  |  |  
7(遊)紅林弘太郎|  |  |空K|  |  
8(捕)福永奨  |  |  |空K|  |  
9(二)宜保翔  |  |  |空K|  |  

         5回  6回  7回  8回 9回
         12球 10球 13球  13球 7球
1(右)後藤  |  |  |右飛|  |  
2(三)バレラ |  |  |二ゴ|  |  
3(指)吉田正 |  |  |見K|  |  
4(一)ラベロ |見K|  |  |空K|  
5(中左)福田周|空K|  |  |空K|  
6(左)西村凌 |見K|  |  |  |  
→中渡部(8回)|  |  |  |空K|  
7(遊)紅林  |  |中飛|  |  |  
→打中川(9回)|  |  |  |  |三ゴ
8(捕)福永  |  |捕邪|  |  |  
→捕松井(7回)|  |  |  |  |  
→打山足(9回)|  |  |  |  |遊ゴ
9(二)宜保  |  |空K|  |  |  
→打杉本(9回)|  |  |  |  |空K

※空K=空振り三振 見K=見逃し三振

【奪三振「19」“決め球”の内訳】
▽ストレート 空振り:1 見逃し:3
▽フォークボール 空振り:14 見逃し:1

プロ野球記録に並ぶ「1試合19奪三振」

【1回】
(1)3番吉田正尚選手が3球目 148キロのフォークボールを空振り三振。
【2回】
(2)先頭の4番ラベロ選手が4球目 145キロのフォークボールを空振り三振。
(3)続く5番福田周平選手は5球目 146キロのフォークボールを空振り三振。
(4)さらに6番西村凌選手も4球目 149キロのフォークボールを空振り三振。
この回、追い込んでからすべてフォークボールで空振り三振を奪う。
【3回】
(5)先頭の7番紅林弘太郎選手は5球目 148キロのフォークボールを空振り三振。
(6)8番福永奨選手も4球目のフォークボールを空振り三振。
ここまで6者連続、フォークボールで空振り三振を奪う。
ファールとなった3球目に自己最速に並ぶ164キロのストレート
(7)9番宜保翔選手は4球目の164キロのストレートを空振り三振。
【4回】
(8)2回り目となった先頭の1番後藤駿太選手は6球目のフォークボールを空振り三振。
(9)2番バレラ選手は4球目の162キロのストレートを見逃し三振。
(10)3番吉田正尚選手は
初球は127キロのカーブを見逃して1ストライク。
2球目も124キロのカーブを空振りで2ストライク。
3球目 148キロのフォークボールはファールとしますが、
4球目 149キロのフォークボールを2打席連続となる空振り三振。
ここまでで10者連続で三振を奪い、プロ野球記録を64年ぶりに更新。
【5回】
(11)先頭の4番ラベロ選手は4球目 147キロのフォークボールを見逃し三振。
(12)5番福田選手は、5球目 149キロのフォークボールを空振り三振。
(13)6番西村選手は3球目の163キロのストレートを見逃し三振。
ここまで13者連続で三振を奪う。
【6回】
(14)連続三振は途切れるものの2アウトから9番宜保選手が6球目 148キロのフォークボールを空振り三振。
【7回】
(15)3番吉田正尚選手が5球目の163キロのストレートを見逃し三振。
去年110試合に出場して三振が26個しかない吉田選手はこれで3打席連続三振。
【8回】
(16)先頭の4番ラベロ選手が4球目のフォークボールを空振り三振。
(17)5番福田選手は4球目のフォークボールを空振り三振。
(18)6番途中出場の渡部遼人選手は5球目のフォークボールを空振り三振。
この回、すべてフォークボールで空振り三振を奪う。
【9回】
(19)2アウトから代打の杉本裕太郎選手が3球目のフォークボールを空振り三振。

“令和の怪物” じっくり育成され 初の開幕ローテーション入り

佐々木朗希投手は岩手県出身の20歳。

大船渡高校時代に163キロをマークし「令和の怪物」と呼ばれて注目を集め、おととしドラフト1位でロッテに入団しました。

1年目は実戦には登板させずにじっくりと育成し、去年は11試合に登板して3勝をマーク。

ことしはオープン戦から163キロをマークするなど順調に調整を続けて初の開幕ローテーション入りを果たしました。

今シーズン初先発となった先月27日の楽天戦は自己最速の164キロをマークし10個の三振を奪いましたが勝ち負けはつかず、今月3日に本拠地で行われた西武戦で13個の三振を奪って今シーズン初勝利を挙げました。

去年より体重が5キロ増えたという佐々木投手は今シーズン、1試合で何度も球速が160キロ台をマーク。

そのストレートと落差の大きいフォークボールで三振を奪うケースが多く見られます。

東日本大震災で被災 毎年3月11日に思いを語る

岩手県陸前高田市出身の佐々木朗希投手は9歳のときに東日本大震災で被災し、父親と祖父母が津波に流されて亡くなりました。

佐々木投手はプロ入り後、毎年3月11日に合わせて取材に応じ、野球ができることへの感謝の思いや、活躍して夢や希望を届けたいという思いを語ってきました。

ルーキーイヤーの令和2年には「今あるものが一瞬でなくなってしまう。今生きている身として、そういった人たちの分も一生懸命生きていかなくてはいけないなと思う。活躍しているところを見せたい」とプロとしての決意を語りました。

震災から10年となった去年は「10年前の僕はたくさんの人から支えられ、勇気や希望をもらいながら頑張ることしかできなかったが、今は勇気や希望を与える立場にあると思う。僕にはプレーでしか恩を返せないので、まずはそこに集中したい。ことしは試合でたくさん投げて活躍し、たくさんの人に勇気や希望を届けることができるように頑張りたい」と語りました。

そしてプロ3年目になったことし「11年たってもつらさや悲しみは消えないが、たくさんの方々の支えがあって、今、野球に打ち込めているので、支えてもらった方たちに感謝しかない。震災を知らない子どもたちもいると思うが、身近にいる大切な人たちのことを当たり前だと思わずに向き合ってほしい」と思いを語り、「試合でたくさん投げてよいプレーを一つでも多く見せられるように頑張って、東北の人たちに喜んでもらえるようにしたい」と話していました。

バッテリーを組んだのは高卒ルーキー松川虎生

28年ぶり16人目の完全試合を達成したロッテの佐々木朗希投手をリードしたのは高校卒業1年目、18歳のキャッチャー、松川虎生選手でした。

10日の佐々木投手について「どんどんストライクを取ってテンポよくバッターに考える時間を与えなかったことがすごくよかった。どの三振も本当に全部すごかった」とピッチングを振り返っていました。

また、奪った三振のすべてをストレートとフォークボールの2つの球種で奪ったことについて「決め球にスライダーを使いたかったが、1回にフォークボールでいい形でアウトを取れたので、中盤以降も配球を変えずにストレートとフォークボールを決め球にしようと話し合って決めた。攻めるところは遊び球を使わずに3球勝負で攻めたことがよかった」と話しました。

完全試合の経験について聞かれると「初めてでわくわくした。これからは佐々木投手が本当に投げたいボールだったりまだまだ勉強をしないといけないなと思うので、もっと上を目指せるようにやっていきたい」と話しました。

井口監督「いずれ完全試合をやるだろうなと思っていた」

ロッテの井口資仁監督は、完全試合を達成した佐々木朗希投手について「きょうの試合は朗希に尽きる。いずれ完全試合をやるだろうなと思っていたが、こんな早い段階でこういう試合をするとは思わなかった」と笑顔で話していました。
また、ピッチング内容について「きょうはファウルを取らせながらカウントを稼いで決め球でしとめる、佐々木らしいピッチングが1回から9回まで徹底できていた。キャッチャーの松川もいいリードをしてくれてた」と振り返っていました。

木村龍治投手コーチ「力が抜けて改善した」

28年ぶり16人目の完全試合を達成した佐々木朗希投手についてロッテの木村龍治投手コーチは「きょうが開幕して3試合目の登板だが、1試合目は速いスピードボールにこだわっていた部分があって、見ていてもうちょっと力を抜いて投げればと思っていた。2試合目でちょっと力を抜け、今回さらに力が抜けて反省点を改善した結果、きょうはパーフェクトという形になった」と完全試合に至るまでの取り組みについて話しました。

昨シーズンとの違いについては「力の抜き方もそうだが、今まで不安があった変化球を勇気を持って投げていることで、ストレート頼みだった配球をトータルで考えるようになっている」と分析しました。

また、これからの登板については「今のロッテのエースは石川歩だが、いずれカードの初戦を投げられるような投手になっていけばいい」と話しました。

出身地の岩手県では号外が配られる

佐々木朗希投手の出身地、岩手県では、盛岡市の繁華街「大通」で、午後7時ごろから地元の「岩手日報社」が号外を配りました。

10日と11日、県内各地で合わせておよそ2万部を配るということです。

号外を受け取った16歳の高校生は「自分もピッチャーをやっていたのでフォームを参考にしていました。速球以外にも変化球の切れもよく、プロで活躍しているので本当にすごいです」と話していました。

盛岡市の35歳の女性は「すごい活躍なのでけがをせず頑張ってほしいです。うちの子どもにもなにかスポーツをやらせたいなと思っているので、朗希くんみたいになってくれたらと思います」と話していました。

ブルージェイズ菊池「いま日本で1番いい投手」

佐々木朗希投手が完全試合を達成したことについて、同じ岩手県出身で大リーグ・ブルージェイズの菊池雄星投手が取材に応じ「すごい投手だというのは高校時代から知っているし、いま日本で1番いい投手だと思う。けがなく野球界を盛り上げて欲しい」とエールを送りました。

そして「面識はなく高校も違うが、やっぱり同じ岩手なので彼の活躍に刺激を受けながら僕も頑張りたい」と話し、同郷の佐々木投手の活躍に目を細めていました。