ウクライナ語に関心高まる 新規利用者が18倍増の学習アプリも

ウクライナから日本に避難する人が増えている中、語学学習アプリの中には、新たにウクライナ語を学ぶ人が侵攻前に比べて最大で18倍に増えているものもあり、関心が高まっています。

UNHCR=国連難民高等弁務官事務所のまとめによりますと、ロシアによる侵攻を受けてウクライナから国外に避難した人は430万人余りとなり、日本にもすでに400人以上が入国しています。

こうした中、語学学習アプリの運営会社によりますと、日本国内では英語などでウクライナ語を学ぶコースの新規の利用者数が軍事侵攻前と比べて大幅に増えていて、ウクライナのゼレンスキー大統領が国会でオンライン形式で演説した先月下旬の週には18倍になったということです。

このアプリは無料で、世界でおよそ5億人の利用者がいるということですが、世界全体でも新たにウクライナ語を学ぶ人はこの1か月余りで6倍以上に増加しているということです。

デュオリンゴの日本責任者の水谷翔さんは「避難してきた人とのコミュニケーションや簡単なあいさつなどに役立てるため学んでいただけたらと思う」と話していました。

運営会社では広告収入の一部をウクライナへの支援活動に寄付するとしています。

ウクライナ出身 在日歌手 SNSで初歩的な日常会話を紹介

ウクライナ語の学習を始める人が増える中、ウクライナ出身で日本で活動する歌手が簡単な日常会話を紹介するSNSが注目を集めています。

SNSでウクライナ語を紹介しているのは、ウクライナ出身で20年余り前から日本で音楽活動を行っている歌手のナターシャ・グジーさんです。

ナターシャさんは先月22日から毎日、自身のSNSで「勝手にウクライナ語会話」というハッシュタグで、初歩的な日常会話について紹介しています。

この中では「こんにちは」は「ドーブリ デーニ」、「ありがとう」は「デャークユ」といった形で、ウクライナ語のスペルとともに発音をカタカナで伝えています。

ナターシャさんも6歳のときに原発事故で避難生活を送った体験から、今後、ウクライナへの支援は子どもたちの心のケアなど長期にわたって必要になると考え、まずはウクライナを身近に感じてもらおうと始めたといいます。

SNSでは、ウクライナでも和食が人気なことや、ウクライナの西部ではことばがポーランド語に近いことなど、豆知識も合わせて伝えています。

こうしたナターシャさんの投稿に対し「少しでもウクライナの方々と心を通わせる事ができたら」とか「最近、独学で始めたところです。もっと話せるようになりたいです」といった返信が寄せられ、ウクライナ語を学ぼうとする人たちの間で注目が集まっています。