英 ジョンソン首相 ウクライナ訪問しゼレンスキー大統領と会談

イギリスのジョンソン首相は9日、ウクライナの首都キーウを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談しました。

訪問はメディアなどに対して事前に知らされることなく行われ、ジョンソン首相は外で出迎えたゼレンスキー大統領と英語であいさつを交わしていました。

イギリスの首相官邸によりますと会談でジョンソン首相はウクライナに対するさらなる軍事支援として、装甲車両120台や対艦ミサイルシステムなどを供与する方針を伝えたということです。

ジョンソン首相は前日の8日、対戦車ミサイルなど1億ポンド、日本円で160億円余りに相当する軍事支援をすでに打ち出しています。

会談後に発表されたビデオ声明でジョンソン首相はプーチン大統領がブチャやイルピンなどで行ったことは戦争犯罪だと強調したうえで「ロシア軍が撤退しているのは一種の戦術で、ドンバス地域やウクライナ東部への圧力を強めようとしている」と指摘しました。

そしてほかの国々と協力して今後ロシアへの経済制裁をさらに強化するとともに、軍事面での支援も行っていく考えを改めて示しました。

またゼレンスキー大統領もイギリスによる支援に謝意を示したうえで「制裁という形でロシアに圧力をかける必要がある。そして、いまこそロシアのエネルギー資源を完全に禁輸するときだ」と各国に強く呼びかけました。

ジョンソン首相はゼレンスキー大統領とともにキーウ市内を視察し、市民に「ウクライナの人々を全力で支援したい」などと声をかけていました。

ジョンソン首相のキーウへの訪問は、EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長とボレル上級代表に続くもので、ロシアによる軍事侵攻後、G7=主要7か国の首脳としては初めてです。