米でEV値上げ相次ぐ 軍事侵攻などに伴う原材料価格高騰背景に

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻などに伴う原材料価格の高騰を背景に、アメリカではEV=電気自動車の値上げが相次いでいて、世界的に加速するEVシフトへの影響を懸念する声が出ています。

アメリカのEVメーカー、テスラは3月、4つのモデルの販売価格をおよそ5%から10%値上げしました。

値上げ幅は最大で1万2500ドル、日本円でおよそ155万円に上っています。

値上げの理由についてイーロン・マスクCEOは「原材料と物流の面で深刻なインフレ圧力に直面しているため」だとしています。
また新興メーカーのリヴィアンもEVの価格を17%から20%引き上げると発表し、原材料の価格動向によってはさらなる値上げの可能性もあるとしています。

ウクライナへの軍事侵攻のあと、ロシアが主要な生産国でEVの電池に欠かせないニッケルの価格が大幅に上昇していて、メーカー各社の課題になっています。
アメリカの環境政策に詳しいロチェスター工科大学のエリック・ヒッティンガー准教授は「EVは急激な需要の高まりですでに生産体制がひっ迫しているところにロシアによる軍事侵攻が起き、より困難な状況に陥っている」と述べ、世界的に加速するEVシフトへの影響に懸念を示しています。

そのうえでメーカー各社は、電池の原料の見直しなどの対策が必要だという考えを示しました。