香港 ワクチン未接種高齢者の死亡リスク 2回以上接種の20倍

オミクロン株の拡大で新型コロナウイルスの感染が急激に広がった香港で、ワクチンを接種をしていない60歳以上の人は2回以上接種した人に比べ死亡するリスクが20倍だったことがアメリカCDC=疾病対策センターと中国の保健当局の調査でわかりました。

CDCと中国の保健当局は8日、ことし1月6日から3月21日までの間に香港での新型コロナウイルスの死者とワクチンの効果を分析した報告書を発表しました。

この期間、香港で新型コロナウイルスに感染して死亡した人は5906人でしたが、このうちおよそ96%にあたる5655人が60歳以上でした。この年代で、ワクチンを1回も接種していない人が死亡するリスクは2回以上接種した人と比べ20倍だったということです。

65歳以上の高齢者が人口のおよそ2割を占める香港ではオミクロン株の拡大で3月中旬には連日200人以上が死亡する事態となりました。

香港では去年12月23日の段階でワクチンを2回以上接種していた人の割合が
▼40歳代では84%、
▼50歳代では79%だったのに対し、
▼60歳以上では49%と低く、
報告書では高齢者の接種率の低さが高い死亡率につながったと分析しています。

CDCは分析の結果について「高齢者や、重症化リスクの高い人々でワクチン接種率を高めることの重要性を示している」とコメントしています。