ロシアとベラルーシの最恵国待遇 取り消しへ 米議会が法案可決

アメリカ議会の上下両院は7日、ロシアとベラルーシに対する経済制裁として「最恵国待遇」と呼ばれる貿易上の優遇措置を取り消すための法案を可決しました。

バイデン大統領の署名を経て成立し、北朝鮮やキューバと同じように、ロシアやベラルーシからの輸入品に平均で30%の高い関税がかかる見通しです。

また、議会はロシア産の原油などのエネルギーの輸入を禁止するための法案も可決しました。

バイデン大統領は先月、今回の2つの措置を発表しましたが、アメリカ議会はロシアの軍事侵攻が2月下旬に始まった直後から制裁の法案化に向けた動きを進め、政権に決断を促してきました。

ロシアの航空3社に罰則

アメリカのバイデン政権は7日、ロシアの航空会社3社がことし2月下旬に発動した輸出規制に違反したとして、罰則を科すと発表しました。

具体的には、最大手のアエロフロートのほか、アズール・エア、UTエアの3社が、輸出規制の対象となっているボーイング製の航空機などを使ってロシアの都市と中国、インド、トルコなどの都市を結ぶ便を運航したとしています。

アメリカ商務省は、罰則としてこの3社がアメリカ企業の製品やサービスを一切受けられないようにするほか、ほかの国の企業にも同様の協力を求め、運航を難しくするねらいです。

ロシア首相「経済制裁 前例のない規模」

ロシアのミシュスチン首相は7日、議会で年間の活動を報告し、ロシアに対する経済制裁が強化されている動きについて言及しました。

この中で「ことしも新たな経済制裁が続けられ、前例のない規模となっている。すでに6000件を超え、ほかのどの国に科されたものより多い」と明かしました。

そのうえで「重要なのは、制裁がすべてのロシア市民を対象としていることだ。かつてパートナーだった国々がどちらが先に制裁を科すか競い合い、毎日のように発表している。パニックを引き起こし、市民を攻撃するのが目的だ」と反発しました。