最古となる約135億年前の銀河を観測か 初期宇宙の手がかりに

これまでで最も古いおよそ135億年前とみられる銀河を発見したと、東京大学が参加する国際研究グループが発表し、宇宙が誕生して3億年後の初期の姿を知る重要な手がかりになると注目されています。

東京大学やアメリカのハーバード大学などの国際研究グループは、地球からの距離がおよそ135億光年離れた宇宙で、銀河を発見したと発表しました。
これまで見つかっていた最も遠い銀河よりさらにおよそ1億光年遠く、宇宙誕生からおよそ3億年後のおよそ135億年前の銀河とみられ、これまでで最も古いということです。

この銀河は比較的明るく、1年間に100個以上の早いペースで星が誕生している状況を観測しているのではないかとしています。

また、この銀河の中心には重さが太陽のおよそ1億倍の巨大なブラックホールが存在する可能性もあるとしていて、宇宙の初期の姿を知る重要な手がかりになると注目されています。

国際研究グループの東京大学の播金優一助教は「発見したときには鳥肌がたった。この銀河には第1世代と呼ばれる宇宙で最初に誕生した星のグループが含まれている可能性があり、今後はこの銀河の年代を特定するとともにさらに詳しい観測を行いたい」と話していました。

最古の銀河 観測の意義は

国際研究グループは「すばる望遠鏡」などを使って「ろくぶんぎ座」の方角で観測に成功しました。

赤外線で観測した画像には、今回発見された銀河が赤く写っています。

宇宙が膨張しているため遠い天体ほど赤く見える特徴を使って距離を表す指標である推定赤方偏移は13.3とこれまでになく大きな値だったということです。

遠くの宇宙を観測することは過去の宇宙を見ることになるため、世界の天文学者は高性能の望遠鏡を駆使して遠くの宇宙の観測を行ってきました。

しかし、現在の望遠鏡では135億光年程度が観測の限界なのではないかと予想されています。

そこでアメリカは、ハッブル宇宙望遠鏡の後継機として去年、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡という新しい宇宙望遠鏡を打ち上げていて、現在の限界を超える観測に挑むとみられています。

研究グループは、今回の銀河について、135億光年離れた銀河の候補としていて、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の観測対象にすることがすでに計画されているということです。

播金助教は「こうした研究から究極的には私たちがどこから来てどのように生まれ、今後どうなっていくのか理解できると思う」と話しています。