中国 上海 外出制限解除見通したたず 食料調達など不安高まる

新型コロナウイルスの感染拡大で、厳しい外出制限が続く中国の上海では、6日も2万人近くの感染者が確認され、6日連続で過去最多を更新しました。外出制限の解除の見通しがたたないなか、在留邦人の間でも食料の調達などをめぐり不安が高まっています。

厳しい外出制限が続く中国の上海では、新型コロナウイルスの感染者が6日、一日で無症状の人を中心に1万9982人確認され、6日連続で過去最多を更新しています。

感染が拡大し続ける中、上海市当局は7日の記者会見で、市内全域の住民を対象にした抗原検査やPCR検査を行うと再び発表しましたが、外出制限を解除する見通しは示しませんでした。

市民の間から、食料が調達できないなどといった批判が高まるなか、当局側は、配達員が不足して各家庭に十分に届けられていないと認めたうえで、供給態勢の改善を図る姿勢を強調しました。

上海には、去年10月の時点で、およそ3万8000人の在留邦人が暮らしていますが、中には、予告もなく自宅のマンションが封鎖された人もいるということです。

日本総領事館にも、在留邦人から食料が不足しつつあるという声が届いているということで、外出制限が長期化する中、不安が高まっています。

SNSで感染対策呼びかけのアナウンサー 職務停止

中国東北部・遼寧省にあるテレビ局のアナウンサーが自身のSNS上で新型コロナウイルスの感染対策を取るよう呼びかけたところ、アナウンサーの職務を停止するなどの処分を受け、当局が感染状況に神経をとがらせていることをうかがわせます。

遼寧省にある地元政府系のテレビ局のアナウンサー、朱霞さんは3月30日、自身のSNSのアカウントで、遼寧省の中心都市、瀋陽の一部地域の感染状況をめぐって「私の言うことを聞いて。理由は言えないけれど感染対策をしっかりして外出して下さい」などと呼びかけました。

中国メディアによりますと、これを受けて、朱さんは4月1日、不適切な発言で社会に悪影響を与えたとして、テレビ局側からアナウンサーや取材の職務を停止するなどの処分を受けたということです。

朱さんはSNSのフォロアーが180万人余りいて、インターネット上には「彼女は本当のことを言っているだけで何も悪くない」といった朱さんを支持する書き込みが相次いでいます。

ストレスで「助けて」 夜間に大声で訴える女性も

上海では、外出制限の解除が見通せない中、ストレスをためる人も増えており、住宅地では、夜間にもかかわらず「助けてください。この部屋から出たいです」などと、大声で訴える女性の姿もみられました。

こうしたなか、住宅地の中には、気分転換を図ってもらおうと夜間に音楽を流すところも出ています。

子どもも歌える人気の歌謡曲などが流されており、ベランダで歌ったり「頑張ろう」と叫んだりする人もいました。