日商 三村会頭 ロシア極東の天然ガス開発“撤退すべきでない”

日本商工会議所の三村会頭は、アメリカなどがロシアへの新たな制裁を発表し圧力を強める中、日本の大手商社が参画するロシア極東での天然ガス開発プロジェクトなどへの対応について、撤退すべきではないという考えを示しました。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐっては、首都近郊で多くの市民が殺害されているのが見つかり、各国からロシアの責任を厳しく問う声が相次ぐ中、アメリカとイギリスが新たな制裁を発表し、圧力を強めています。

これに関連して、日本商工会議所の三村会頭は7日の定例会見で「ロシアの今回のことは、本当に許されない」と述べました。

そのうえで、日本の大手商社が関わる形でロシア極東で進められている石油と天然ガスの開発プロジェクト「サハリン1」と「サハリン2」への対応については「サハリンの天然ガスは日本として必要なものだ。もし、この権益をいらないと言った場合、これだけ天然ガスが世界的に払底していれば、高い価格で中国が購入する可能性が極めて大きいと思う。ロシアにメリットを与えることになり、決して日本のためにならない」と指摘し、撤退すべきではないという考えを示しました。

一方、このところの円安について三村会頭は「今の原材料価格の上昇などを考えると、中小企業にはメリットはほとんどない」と述べ、円安が及ぼす中小企業への影響に強い懸念を示しました。