米がウクライナに供与の自爆型無人攻撃機100機 近く到着へ

アメリカ国防総省の報道官は、バイデン政権がウクライナへの軍事支援として供与する自爆型の無人攻撃機100機が、近く現地に到着するとの見通しを明らかにしました。

アメリカが供与するのは「スイッチブレード」という無人攻撃機で、弾頭を搭載して戦車や軍用車両などにミサイルのように突っ込む自爆型の兵器です。

先月、バイデン政権がウクライナへの軍事支援として供与すると発表していたもので、アメリカ国防総省のカービー報道官は6日、この無人攻撃機100機の発送が完了し、近く現地に到着するとの見通しを明らかにしました。

この無人攻撃機の使い方は2日程度で習得できるということで、ロシア軍による侵攻が始まる前からアメリカ国内に滞在していたウクライナの兵士を対象に訓練を行っていたということです。

カービー報道官は「われわれは今後もウクライナ側と話し合い、必要であれば追加で調達できるように支援する」と述べて、さらなる供与に前向きな姿勢を示しました。

ウクライナへの軍事支援をめぐっては、今週、チェコ政府が戦車を供与することが明らかになったほか、アメリカ国防総省が新たに日本円でおよそ124億円相当の対戦車ミサイルの追加供与を発表していて、ロシア軍がウクライナ東部で攻勢を強める中、アメリカなど西側諸国からの支援が加速しています。

供与する無人攻撃機「スイッチブレード」とは

アメリカがウクライナに供与する無人攻撃機「スイッチブレード」は、戦車や軍用車両などの標的にミサイルのように突っ込んで攻撃する自爆型の兵器です。

2つのタイプがあり、このうち大型の「スイッチブレード600」は全長1メートル30センチほどで、発射後40分余り飛行する能力を備えています。

操縦士は、搭載されたカメラの映像を見ながら標的を探すことができ、いったん標的を特定すると、加速しながら突っ込んで破壊します。

このタイプには、軍用車両の装甲を破壊する強力な弾頭を搭載できることから、戦車などへの攻撃に有効とされています。

また小型の「スイッチブレード300」は、重さがおよそ2.5キロで兵士が背負って持ち運ぶことができ、一般車両などを破壊することができるということです。

いずれのタイプも自爆型ではない通常の軍用の無人機と比べると小さく、組み立てを開始してから10分以内で発射態勢に入れることから、機動性にすぐれているとされています。

スイッチブレードを製造しているエアロバイロメントの担当者は「機体にはカメラがあり、手元の端末に標的が映し出されるので、正確に攻撃することができる。小型タイプでも自動車やトラックのほか、ヘリコプターの回転翼の軸を壊すことができる」と話していました。

米の専門家 “ロシア軍に対抗するうえで重要な兵器に”

無人兵器などに詳しい新アメリカ安全保障センターのポール・シャーラー氏は「ウクライナ側はさまざまな無人機を活用してロシア軍を攻撃しており、無人機がウクライナの防衛のために非常に重要な役割を果たしている」と指摘しました。

具体的には、トルコ製の無人攻撃機「バイラクタルTB2」を使って上空からロシア軍の車両などを探して攻撃しているほか、民生用のドローンを偵察用として活用し、ロシア軍がいる地点への正確な砲撃につなげているということです。

そして今回、アメリカが自爆型の無人攻撃機をウクライナに供与することについては「非常に効果的だ。無人機とミサイルの中間に位置する兵器で、ロシア軍は空からの攻撃をより強く恐れるようになり、戦い方を変えざるをえなくなるだろう」と述べ、ロシア軍の攻勢に対抗するうえで重要な兵器になるという認識を示しました。