朝日新聞 記者を処分 安倍氏記事事前に見せるよう週刊誌に要求

朝日新聞社は、編集委員をしている記者が、週刊誌に掲載される予定の安倍元総理大臣のインタビュー記事を事前に見せるよう週刊誌側に要求する、不適切な行為をしたとして、停職1か月の懲戒処分にすることを決めました。
記者は「不当な措置だ」と反論しています。

朝日新聞社によりますと、懲戒処分されることが決まったのは、編集委員の峯村健司記者(47)で、3月10日「週刊ダイヤモンド」の副編集長に電話をして掲載予定の記事を見せるよう求めたということです。

この記事は安倍元総理大臣のインタビュー取材の記事で、朝日新聞社によりますと、峯村記者が、元総理大臣側からの依頼で内容を確認したいという趣旨の説明をしたのに対し、副編集長から断られたということです。

その後、ダイヤモンド編集部から朝日新聞社に対して、編集権の侵害だとする抗議があったということで、朝日新聞社は、社内調査の結果「報道倫理に反する極めて不適切な行為があった」として、4月13日付けで記者を停職1か月の懲戒処分にすることを、6日決めました。

編集委員の記者「不当な措置」

峯村記者は以前から退職を予定していたということで、自身のツイッターに「退職まで1週間を切った不当な措置で、恣意的な調査に基づく公平性に欠いたものです。今回の処分の不当性については法的にも明らかにしてまいりたいと思います」と投稿しています。

朝日新聞社「極めて不適切 深くおわび」

朝日新聞社の宮田喜好東京本社編集局長は「本社は記者行動基準で『独立性や中立性に疑問を持たれるような行動はとらない』と定めています。編集委員の行為は、政治家と一体化してメディアに圧力をかけたと受け取られても仕方がなく、極めて不適切です。ダイヤモンド社と読者のみなさまに深くおわびします。取材対象との距離の取り方を誤り、読者からの信頼を揺るがす大変重い問題と受け止めています。報道倫理についての指導を改めて徹底いたします」とコメントしています。

週刊誌の編集部「編集権の侵害行為」

ダイヤモンド編集部の山口圭介編集長は「編集権の侵害行為があったことは事実で、私たちは、その介入を明確に拒否しました。メディアは常に権力との距離感を強く意識しなければならず、中立性を欠いた介入があったことは残念でなりません」とコメントしています。

安倍元首相の事務所「コメントは差し控える」

自民党の安倍元総理大臣の事務所は「今回の件については、朝日新聞社と峯村氏との間のことであり、事務所としてコメントは差し控えさせていただきます」としています。