イギリス国防省 マリウポリ 市民16万人が深刻な人道危機に直面

ロシア軍に包囲されている東部の要衝マリウポリでは、激しい戦闘が続く中、16万人の市民のほとんどが明かりや通信手段などのない状態で、深刻な人道危機に直面しています。

ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は5日、ウクライナ側が撤退の提案を拒否したとして、「あくまでマリウポリの解放を目指す」という考えを示しました。

一方、イギリス国防省は6日、公表した戦況分析で「マリウポリで激しい戦闘とロシアの空爆が続いている」としたうえで、「市内に取り残された16万人の市民のほとんどは明かりや通信手段に加えて医薬品や暖房、水がない。ロシア軍が降伏を迫る目的で支援物資の搬入を阻止している」として、深刻な人道危機に直面していると指摘しました。

5日、マリウポリ市内をドローンから撮影した映像では、ロシア側が物資の配布拠点を設置したショッピングセンターの跡地に大勢の人が列を作って受け取りを待つ様子が確認できます。

ウクライナのベレシチュク副首相は6日、SNSの「テレグラム」でマリウポリを含む11の市などから「人道回廊」と呼ばれる避難ルートを設置すると投稿しました。

ベレシチュク副首相は、マリウポリからのバスを使った避難はこれまでロシア側の妨害により失敗したとしていて、今回は自家用車での避難を呼びかけています。