欧米側 軍事支援のレベル一段上げる チェコ政府が戦車供与へ

ロシア軍がウクライナ東部を中心に激しい攻撃を続ける中、欧米側は軍事支援のレベルを一段上げ、このうちチェコ政府がウクライナに戦車を供与することになりました。これを強く警戒してきたロシア側の対応が焦点です。

ロシア国防省は6日、ウクライナ各地をミサイルで攻撃し、このうち東部の都市ハルキウや南部ミコライウなどに駐留するウクライナ軍に燃料を供給していたとする施設を破壊したと発表しました。

また、ロシア軍が作戦を強化する東部の要衝マリウポリについて、イギリス国防省は6日、ロシア軍の空爆など激しい戦闘が続いているうえに今も16万人の住民が残されているものの、ロシア軍が降伏を迫る目的で支援物資の搬入を阻止していて、人道的な危機がさらに悪化していると指摘しています。

一方、首都キーウの北西の町ブチャで、多くの市民が殺害されているのが見つかりましたが、ロイター通信によりますと、ロシア軍が撤退したキーウから北西およそ50キロにあるボロジャンカで、倒壊した建物から多くの住民とみられる遺体が見つかったということです。

ウクライナのベネディクトワ検事総長は「最悪の人的被害だ」と述べ、ブチャを上回る被害が出ているとしていて、今後、被害の実態がさらに明らかになる可能性があります。

こうした中、NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長は、NHKのインタビューに対し、チェコ政府がウクライナに戦車を供与すると明らかにしました。

チェコの地元メディアは、旧ソビエト製の戦車を含む数十両の戦闘用の車両が供与されると伝えていて、ロシア軍がウクライナ東部を中心に激しい攻撃を続ける中、軍事支援のレベルを一段引き上げた形です。

これに対し、ロシア側はウクライナ側への軍事支援が、これまでの対戦車ミサイルなどから戦車など、より攻撃力が高い兵器に移ったことで、欧米側の動きを強く警戒しているとみられ、今後の対応が焦点です。