NATO事務総長「チェコ政府がウクライナに戦車を供与」

NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長が、NHKの単独インタビューに応じ、チェコ政府がウクライナに戦車を供与すると明らかにしました。ロシア軍に対抗するため、より攻撃力が高い兵器の供与を求めるウクライナ側の要請に答えた形です。

ロシア軍が攻勢を強める中、ウクライナのゼレンスキー大統領は戦力で勝るロシア軍に対抗するため、NATO加盟国に戦闘機や戦車といった、より攻撃力が高い兵器の供与を求めています。

ただ、こうした兵器の供与はロシア側との緊張を高めるとの懸念があり、アメリカは先月、ドイツにあるアメリカ軍基地を経由して戦闘機をウクライナに供与するというポーランド側の提案を拒否していて、戦車の扱いが注目されていました。

こうした中、NATOのストルテンベルグ事務総長は5日、NHKの単独インタビューに応じ、「チェコ政府が、ウクライナに対して戦車を供与すると表明した」と明らかにしました。

チェコ政府は詳細を明らかにしていませんが、地元メディアはウクライナに供与するのは、旧ソビエト製の戦車を含む数十両の戦闘用の車両だと伝えています。

アメリカ・ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は4日、ウクライナへの軍事支援をめぐり、「同盟国が保有する兵器がウクライナのニーズに適している場合は同盟国からの供与を支援する」と述べていたほか、国防総省の高官も、「他国によるウクライナへの供与の決定は尊重する」と述べて、戦車の供与を支持する姿勢を示していました。

アメリカなど西側諸国は、今回の戦車の供与がロシアを過度に刺激しないか慎重に判断したものとみられ、ロシア軍がウクライナ東部で攻勢を強める中、ウクライナ側の要請を踏まえて軍事支援のレベルを一段引き上げた形です。