国連安保理会合 ゼレンスキー大統領「最も恐ろしい戦争犯罪」

ウクライナの首都近郊の町で多くの市民の遺体が見つかり、ロシアに対する国際的な非難が高まる中、国連の安全保障理事会の会合が日本時間の5日午後11時すぎから始まりました。
会合では、ウクライナのゼレンスキー大統領がオンラインで演説を行いました。

ゼレンスキー大統領は「きのう、ブチャに行ってきた。ロシア軍は、あらゆる犯罪を犯した。意図的に人々を殺害した。女性や子どもを家の外で殺害し、死体を燃やした」とブチャでの凄惨(せいさん)な現場の様子を訴えました。そのうえで「ロシアが犯した第2次世界大戦後、最も恐ろしい戦争犯罪だ」と訴えました。

また「安保理が保証すべき平和はどこにあるのでしょうか。ロシア軍と命令を下した者に直ちに法の裁きを下さなければならない」と述べました。

そして「ウクライナに平和が訪れるよう国連の安全保障理事会の決断が必要だ。侵略者のロシアを安保理から排除するか、具体的に改革する方法を示してほしい」と述べました。

官房長官「ロシアの戦争犯罪は処罰されなければならない」

松野官房長官は午前の記者会見で、「政府は、ロシアの行為によりウクライナで多くの市民が犠牲になっていることを極めて深刻に受け止め、強い衝撃を受けている。多数のむこの民間人の殺害は重大な国際人道法違反で戦争犯罪だ。断じて許されず、厳しく非難する。こうした残虐な行為の真相は徹底的に明らかにされなければならず、ロシアの戦争犯罪は処罰されなければならない」と述べました。

そのうえで、「G7=主要7か国をはじめとする国際社会と緊密に連携し、国連の安全保障理事会の動きを強い関心を持って注視していく。またゼレンスキー大統領の発言を聞き、改めて安保理改革の必要性を痛感しており、改革の実現に向けて引き続きリーダーシップをとっていく」と述べました。

公明 竹内政調会長 “国連改革 国際社会と連携で”

公明党の竹内政務調査会長は、記者会見で「ウクライナの市民への極めて残虐な行為は戦争犯罪であり、断じて許されず厳しく非難する。しっかりと証拠を収集して事実を明らかにし、断罪されなければならない」と述べました。

そのうえで「ゼレンスキー大統領は、演説の中で国連改革の必要を訴えたが、日本は国際社会と連携して真正面から抜本改革に取り組むべきだ。国連が期待される役割を効果的に果たし、日本が貢献できるよう改革を進めることが大事で、まずは安保理の常任理事国や、意思決定の在り方などで問題提起が必要だ」と述べました。