ゼレンスキー大統領 ブチャの死者 さらに増えるとの見通し示す

ウクライナのゼレンスキー大統領は、4日、公開したビデオメッセージで、首都キーウ北西のブチャで300人以上の市民が殺害されたり拷問を受けたりしたという情報があると明らかにしたうえで、死者の数はさらに増えるという見通しを示しました。

そして「犯罪に関与したロシア軍を一刻も早く特定するため、あらゆる手を尽くしている。彼らを罰するために、EU=ヨーロッパ連合や国際刑事裁判所などの国際機関と協力していくことになる」と述べ、関係機関と連携してロシア軍の行為を厳しく追及していく考えを示しました。

「これはジェノサイドだ」

これに先立ち、ゼレンスキー大統領は4日、ブチャで報道陣の取材に応じ「数千人の市民が戦車でひき殺されたり手足を切断されたりし、女性は暴行を受け、子どもたちも殺されている。世界はこれが戦争犯罪だということを認めなければならない」と訴えました。

そのうえで「これは戦争よりひどい。ジェノサイドだ」と述べ、民族などの集団に破壊する意図をもって危害を加える「ジェノサイド」だとして強く非難しました。

また、ゼレンスキー大統領は、停戦交渉が進展していないことに触れ「ロシア軍の非道な行為が日増しに明らかになっていて、交渉が長引くほど、ロシア側にとって結果は悪くなるだろう。もし彼らにまだ考える能力があるならば、交渉は早く進めたほうがよい」と述べました。