東証「プライム市場」など新たな3市場で取り引き始まる

東京証券取引所ではこれまでの1部などが廃止され4日から「プライム市場」など新たな3つの市場での取り引きが始まりました。

東京証券取引所は4日からプライム、スタンダード、グロースという3つの市場に再編され、これまでの1部や2部などは廃止されました。

4日、日本取引所グループの清田瞭CEOが「市場再編のねらいは国内外の投資家から高い支持を得られる魅力的な市場を提供することだ。市場再編をきっかけに企業価値の向上にむけた取り組みが進展することを大いに期待したい」とあいさつし、午前9時から新たな市場の取り引きが始まりました。

このうちプライム市場では国際的に競争力を持つ企業を集めようと上場の基準が以前の1部と比べ厳しくなりました。

また独立性の高い社外取締役を3分の1以上にすることや、気候変動が経営に与える影響を開示することなど、企業統治や情報開示の面でも対応が求められることになります。

新たな市場が投資を活発にして企業の成長を加速させ、日本経済全体の底上げにつなげることができるか注目されます。

東証の市場再編について大和総研の神尾篤史主任研究員は企業が持続的に成長しなければ上場を維持することが難しくなる仕組みになっていると指摘したうえで「しっかりと株主への還元を考え、成長に向けた戦略を分かりやすく開示することが行われてきている。戦略の見せ方や株主への還元について企業間の競争が激しくなることで日本市場の底上げにつながる」と評価しています。

一方、プライム市場に移行したものの現在は上場の基準を満たさず改善計画を提出した企業については「中には投資家から見て本当に達成可能なのかと疑問を感じさせるような企業もある。企業は進捗(しんちょく)状況の確認や計画書の変更などを通じて、より説明を充実させていくことが重要だ」と指摘しています。

また今後の見通しについては投資家向けの情報開示の充実など上場を維持するためのさまざまなコストがかさむと指摘したうえで「企業は上場のメリットとデメリット、それぞれのコストを比べて今後は上場の廃止を選択する企業も出てくるのではないか。企業の出入りが増えることで市場の新陳代謝が増すだろう」と話しています。

トピックスの算出方法も段階的に変更

市場再編に伴い東証株価指数=トピックスの算出方法が段階的に変わります。

これまでトピックスは東証1部に上場するすべての銘柄の時価総額をもとに1968年1月4日時点を100として算出されてきました。4日以降も当面は1部に上場していた銘柄すべてを継続してトピックスに組み入れて算出しますが、ことし10月末以降はプライム市場の上場基準に合わせて流通株式の時価総額が100億円に満たない銘柄を段階的に外していき、2025年1月末にはゼロにします。

トピックスから外れた場合、投資信託などからの投資が減るため、その銘柄の株価に影響が出るとみられる一方、トピックスを構成する銘柄全体の質の向上につながるという指摘も出ています。

トピックスは日経平均株価などと比べて市場全体の動きを反映できる特徴があり、機関投資家の間で資金を運用するための基準として活用されています。またトピックスに連動した投資信託もあり、値動きがわかりやすいことなどから個人投資家の人気を集めています。

松野官房長官「魅力的な市場となることを期待」

松野官房長官は午前の記者会見で「新しい市場区分への移行が上場企業の持続的な企業価値の向上につながり、東京証券取引所が国内外の投資家にとってこれまで以上に魅力的な市場となることを期待している」と述べました。