“ワクチン肯定的投稿の人 医師の発信多く参照” 東大グループ

新型コロナウイルスのワクチンに対する意識について東京大学のグループがSNSの投稿をAI=人工知能を使って分析したところ、ワクチンに肯定的な投稿をするようになった人は医師からの情報発信を多く参照する傾向があったとする研究結果をまとめました。グループでは「医師による地道な情報発信が重要ではないか」と指摘しています。

東京大学生産技術研究所の豊田正史教授らのグループではNTTデータがまとめたツイッターのデータをもとに、ワクチンについて一定回数以上投稿している人のワクチンへの態度の変化をAIを使って判定しました。

調査では去年6月から10月までの期間中に「ワクチンを接種するか悩む」など、態度が明確ではない状態から、肯定的なものへと投稿内容が変化したとAIに判定された人は1万6044人いたということです。

こうした人たちが肯定的な投稿をするようになる前後10日間に誰の投稿を主にリツイートしていたかを調べたところ、上位20番目までのうち半数を医師個人からの情報発信が占め、ほかには新聞社やテレビ局、公的機関などが多かったということです。

豊田教授は「去年ワクチンの接種が進んだ背景には多くの医師による草の根的で地道な情報発信が重要だった可能性がある」と話しています。