「限界迎えつつある」ポーランドで避難家族受け入れの日本人

ウクライナから逃れたおよそ240万人の避難先となっているポーランドにある自宅で、家族4人を受け入れている日本人の男性がNHKの取材に応じ、「ポーランドでは行政ではなく個人やボランティアが受け入れの主体となっていて、受け入れ側は資金的にも精神的にも限界を迎えつつある」などと現地の実情を語りました。

ポーランドの首都ワルシャワで日本語学校を運営している坂本龍太朗さん(36)は、ボランティアで避難民のための物資の調達を行うとともに、ワルシャワの近郊にある自宅でもキーウから避難してきた家族4人を受け入れています。

坂本さんによりますと、ポーランドでは行政ではなく個人やボランティアが受け入れの主体となっていて、食費や医療費なども自宅で避難民を受け入れている個人が負担しているということです。

坂本さんもこれまでにおよそ20万円を負担し、ポーランド政府は受け入れ世帯に現金の支給を検討しているということですが、実際に支給されるまでにはまだ時間がかかり、これまでに負担した額は補償されない可能性が高いということです。

また、傷ついた心のケアや、行政の手続きのサポートなどで苦労する家庭も多く、ことばが通じないことで受け入れた避難民との間でトラブルが起きるケースもあるということです。

坂本さんは、「2週間くらいなら大丈夫だと思っていた人たちも受け入れが1か月を超えて長期化する中で資金面だけでなく、体力的にも精神的にも限界を迎えつつあります。目の前のことで精いっぱいで、ウクライナに残っている人たちの支援までは手が回らない状態です」と話しました。

そのうえで、「日本政府には、ポーランド政府を援助してほしいし、ウクライナ国内に残って苦しい生活を強いられている人たちへの支援にも、力を入れてほしい」と訴えていました。