ロシア軍 首都キーウ近郊から撤退の際に “地雷設置”

ロシア軍はウクライナ東部などで攻撃を続け、マリウポリでは住民を安全に避難させられるかが課題になっています。

一方、首都キーウ近郊ではウクライナ軍が複数の町を奪還するなど戦闘の主導権を握っているとみられますが、ロシア軍は撤退する際に地雷を設置しているとして、ウクライナのゼレンスキー大統領は住民たちに戻らないよう呼びかけています。

ロシア軍はウクライナ東部での作戦を強化し、ロシア国防省は2日、ハルキウ州とドニプロペトロウシク州にある鉄道の駅の付近をミサイルで攻撃し、ウクライナ軍の装甲車や燃料タンクなどを破壊したと発表しました。

ロシア国営のタス通信によりますと、ロシア大統領府のペスコフ報道官は2日「ウクライナの軍事インフラの大部分を破壊した。軍事作戦の目的が一刻も早く達成され、敵対行為が停止されることを望む」と述べ、東部地域の解放を理由に戦闘を続けると改めて強調しました。

またロシア軍が包囲し、深刻な人道危機が起きている東部の要衝マリウポリからの住民の避難について、ロイター通信は2日、ウクライナのベレシチュク副首相の話として4217人が戦闘地域から避難したと伝えました。

ただ、いまだおよそ10万人以上が取り残されているとみられ、水や電気の供給が止まり医薬品なども届かない中、住民の避難を加速させられるかが大きな課題となっています。

一方、イギリス国防省は2日、ウクライナ軍が首都キーウの東にある複数の村を奪還したほか、北西にあるイルピンから、さらに北のブチャやホストメリに向けて前進を試みていると指摘し、首都近郊で戦闘の主導権を握っていると分析しています。

ウクライナ政府は30を超える町や村を奪還したとしていて、ゼレンスキー大統領は2日に発表した声明で、北部にいたロシア軍は少しずつ撤退していると明らかにしました。
ただ「ロシア軍は地雷をあらゆる場所に埋めている」として、安全を丁寧に確認する必要があるとして避難している住民に対し、まだ戻らないよう呼びかけています。

アメリカ国防総省は1日、ウクライナに対して、
▽レーザー誘導ロケットシステムや
▽爆弾を搭載して戦車や装甲車などに自爆攻撃をする無人機などを含む3億ドル、日本円にしておよそ360億円の追加の軍事支援を行うことを発表しています。

停戦に向けた交渉が進められる中、ロシア側の反発も予想され、ウクライナ各地で戦闘が収まるかは不透明です。