ウクライナ避難民 20人程度が政府専用機で来日希望 政府調整

ウクライナからの避難民の受け入れを進めるため、隣国のポーランドを訪問中の林外務大臣は2日、避難民の滞在施設などを訪れました。

希望する避難民は大臣の帰国時に政府専用機に乗せることにしていて、これまでに20人程度が希望しているということで、受け入れに向け詰めの調整を進めることにしています。

林外務大臣は、ウクライナからの避難民の受け入れを進めるため、岸田総理大臣の特使として隣国のポーランドを訪問しています。

初日の2日は、首都・ワルシャワ市内でウクライナのクレバ外相と会談し、今後も断固たる決意で支援する考えを伝えたのに対し、クレバ外相は謝意を示し、引き続き、両国で緊密に連携していくことを確認しました。

そして避難民が滞在している施設を視察するなどし、支援のニーズを直接聞き取りました。

このあと林大臣は、記者団に対し「避難民に対する国内の支援の施策を考えていくにあたり、大変有益な機会となった。引き続き多くの現場の声に耳を傾け、今後の取り組みに生かしていきたい」と述べました。

政府は、希望する避難民は大臣の帰国時に政府専用機に乗せることにしていて、これまでに20人程度が希望しているということです。

林大臣は、3日はウクライナとの国境付近を視察するほか、避難民の支援活動を担う国際機関の関係者との意見交換などを行うことにしていて、引き続きニーズの把握に努めるとともに、受け入れに向け詰めの調整を進めることにしています。

ポーランド 日本の姿勢を評価と一層の貢献を期待

林外務大臣がウクライナからの避難民の受け入れを進めるためポーランドを訪れているのに合わせて、現地の外務省の報道官がNHKのインタビューに応じ、人道支援を進める日本の姿勢を評価するとともに、一層の貢献に期待を示しました。

ポーランド外務省のヤシナ報道官は、2日、NHKのインタビューにオンラインで応じました。
ポーランドは、ウクライナと国境を接する国で最も多い240万人の避難民を受け入れています。

これについてヤシナ報道官は「彼らは私たちの隣人だ。私たちはロシアに占領されることがどういうことか知っている」と述べ、第2次世界大戦で旧ソビエトに占領された歴史を引き合いに出しながら、ウクライナの人々に連帯を示しました。
そのうえで「日本はヨーロッパから離れ、無関係だとふるまうこともできたはずだが、そうしなかった」と述べ、人道支援を進める日本の姿勢を評価しました。

一方で、現在の課題は、大勢の避難民の住まいや食料の確保だと指摘したうえで「この事態はすぐ終わりそうにはなく、日本側との話し合いは人道支援の分野が中心になると思う。住まいや食料の確保に向けた支援や、人道活動への資金の供与を期待したい」と述べ、人道支援での一層の貢献に期待を示しました。
また、「両国の経済や文化の関係はとても良好だが、さらに前進できる」と述べ、ロシアを念頭に安全保障やエネルギーの分野でも日本と関係強化を進めていく考えを強調しました。