“布マスク”配送開始 在庫解消も保管費は約9億6000万円に

新型コロナウイルス対策として政府が調達したものの在庫として残っていた布マスクについて、厚生労働省は配布を希望したおよそ33万件の個人や介護施設などに配送を始めました。在庫は解消されるということですが、先月までの保管費用はおよそ9億6000万円に上っています。

新型コロナウイルス対策として政府は、おととし、およそ2億8700万枚の布マスクを調達しましたが、先月末時点で7800万枚余りが配布されないまま残っていました。

在庫は希望者に配布し有効活用を図ったうえで廃棄する方針が示され、厚生労働省が受け付けたところ、個人や介護施設、それに自治体など37万件、合わせて2億8850万枚の希望が寄せられたということです。

中には掃除や野菜の栽培などに使いたいというケースもあったということで、厚生労働省は国内で感染対策のマスクとして活用するところに配布先を限定し、およそ33万件、合わせて7100万枚の配送を1日から始めました。

不良品や品質を確認できないものなどおよそ730万枚は固形燃料などとして再生利用するよう処理業者に委託するとしています。

これでマスクの在庫は解消されるということですが、先月までの保管費用はおよそ9億6000万円に上っているほか、今回の配送費用がおよそ3億5000万円、また希望者からの問い合わせに対応するコールセンターの運営費などにおよそ1億4000万円がかかるということです。

厚生労働省は「会計検査院からも保管費用の節減や有効活用に努めるよう指摘を受けていた。できるかぎり有効活用につなげたい」としています。