コロナ新規感染者数 1週間平均 44都道府県で前週より増加

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国ではおよそ1か月半ぶりに増加傾向となり、ほぼすべて、44の都道府県で前の週より多くなっています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国 約1か月半ぶり増加傾向

▽3月3日までの1週間では前の週に比べて0.92倍、
▽3月10日は0.86倍、
▽3月17日は0.90倍、
▽3月24日は0.76倍と、6週連続で緩やかな減少傾向となっていましたが、
▽3月31日まででは1.17倍とおよそ1か月半ぶりに増加傾向となっています。

一日当たりの新規感染者数は、およそ4万5345人と、前の週より6500人以上増えました。

また、これまで重点措置が適用されていたほとんどの都道府県を含め、44の都道府県で横ばいから増加傾向となっています。

3月21日に重点措置が解除された地域

3月21日に重点措置が解除された18の都道府県では、香川県を除いて前の週より感染者数が増えています。

【東京都】
▽3月17日までの1週間は前の週の0.87倍、
▽3月24日は0.78倍と6週連続で緩やかな減少傾向となっていましたが、
▽3月31日まででは1.19倍と増加傾向となっています。
一日当たりの新規感染者数はおよそ7530人で、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は375.22人と、沖縄県に次いで全国で2番目に多くなっています。

【神奈川県】
▽3月17日までの1週間は前の週の0.92倍、
▽3月24日は0.72倍、
▽3月31日まででは1.01倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ3811人となっています。

【埼玉県】
▽3月17日までの1週間は前の週の0.97倍、
▽3月24日は0.81倍、
▽3月31日まででは1.23倍となっています。
一日当たりの新規感染者数はおよそ3766人で、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は358.94人と、沖縄県、東京都に次いで全国で3番目に多くなっています。

【千葉県】
▽3月17日までの1週間は前の週の0.91倍、
▽3月24日は0.74倍、
▽3月31日まででは1.17倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ2603人となっています。

【大阪府】
▽3月17日までの1週間は前の週の0.82倍、
▽3月24日は0.66倍、
▽3月31日まででは1.10倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ3521人となっています。

【京都府】
▽3月17日までの1週間は前の週の0.88倍、
▽3月24日は0.66倍、
▽3月31日まででは1.28倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ883人となっています。

【兵庫県】
▽3月17日までの1週間は前の週の0.80倍、
▽3月24日は0.70倍、
▽3月31日まででは1.09倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1847人となっています。

【愛知県】
▽3月17日までの1週間は前の週の0.80倍、
▽3月24日は0.75倍、
▽3月31日まででは1.14倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は2512人となっています。

【岐阜県】
▽3月17日までの1週間は前の週の0.89倍、
▽3月24日は0.80倍、
▽3月31日まででは1.24倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は479人となっています。

【北海道】
▽3月17日までの1週間は前の週の0.92倍、
▽3月24日は0.93倍、
▽3月31日まででは1.20倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1712人となっています。

【その他】
▽青森県は3月31日までの1週間では前の週の1.08倍、
▽茨城県は1.01倍、
▽栃木県は1.25倍、
▽群馬県は1.12倍、
▽石川県は1.15倍、
▽静岡県は1.11倍、
▽香川県は0.95倍、
▽熊本県は1.19倍となっています。

“3月21日より前に解除” “適用なかった”地域

3月21日より前に重点措置が解除された地域や、適用がなかった地域でも、ほぼすべてで増加傾向となっています。

【沖縄県】
▽3月17日までの1週間は前の週の0.91倍、
▽3月24日は1.06倍、
▽3月31日まででは1.32倍となっています。
一日当たりの新規感染者数はおよそ868人で、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は414.18人と、全国で最も多くなっています。

【広島県】
▽3月17日までの1週間は前の週の1.09倍、
▽3月24日は0.90倍、
▽3月31日まででは1.37倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ898人となっています。

【福岡県】
▽3月17日までの1週間は前の週の0.89倍、
▽3月24日は0.75倍、
▽3月31日まででは1.25倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ2117人となっています。

【その他】
▽秋田県は3月31日までの1週間では前の週の1.35倍、
▽山形県は1.47倍、
▽新潟県は1.34倍、
▽山梨県は1.40倍、
▽三重県は1.45倍、
▽島根県は1.61倍、
▽佐賀県は1.66倍、
▽宮崎県は1.47倍、
▽鹿児島県は1.67倍などと、
増加の幅が比較的大きくなっています。

専門家「リバウンドの兆候見られる」

感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は、現在の感染状況について「再増加がこのまま続くのか、あと1週間ほど見ていかないと言えないが、今の段階ではリバウンドの始まりのようにも見える。まん延防止等重点措置が解除され、桜も咲いて年度替わりで多くの人が集まる時期でもあり感染者が増えてきた。それに加えてオミクロン株の中でもう少し感染しやすい『BA.2』が増えていて、さまざまな要素が総合されてリバウンドの兆候が見られるということだ」と指摘しました。

今後の感染状況については「今後、感染対策がとられず、ワクチンの接種率も伸びなければ、第6波が大型連休明けまで長引いてしまい、その時点で第7波と言われるほどの、ことし2月初めくらいの感染者数になってしまう可能性もあるとは思う。一人ひとりが予防対策を続け、接種率を高めることが第6波を早く終わらせる、第7波にならないようにするいちばんの鍵になると思う」と話しています。

今の時期の注意点について、濱田特任教授は「外で散歩しながら桜を見ることは全く問題がないが、人混みの中で桜を見る場合はマスクをして、桜の木の下での飲食は避けるほうがよい。歓迎会が行われる時期だが、ある程度人数を絞って短時間で終わらせる形にして、少しでも体調不良があったら会には出ないことも大事だ」と話しています。