電力の小売事業者撤退相次ぎ 資金繰りの支援へ 経産省

天然ガスなど燃料価格が高騰するなか「新電力」と呼ばれる電力の小売事業者の撤退が相次いでいます。経済産業省は4月1日から、中小の新電力が融資を受けやすくなるよう支援に乗り出しました。

民間の信用調査会社帝国データバンクによりますと、昨年度、新電力と呼ばれる電力の小売事業者の倒産件数は14社で、2016年に電力の小売りが全面自由化されてから、年度ごとの件数としては最も多くなりました。

経営は破綻していないものの事業の撤退や新規の契約停止も含めると、さらに数は多くなっています。

こうした状況を踏まえ、経済産業省は、1日から新電力を含めた電力の小売事業者を、中小企業の資金繰りを支援する制度の対象に指定しました。

この制度では、金融機関から新たに借りた資金の返済が難しくなった場合に、信用保証協会が残りの返済額の80%の負担を保証することで融資を受けやすくします。

対象となるのは、直近3か月の売り上げが、前の年の同じ時期より5%以上減少した会社などです。

萩生田経済産業大臣は1日の閣議のあとの会見で「電力は、国民生活の基盤となるライフラインであり、安定供給や需要家の保護に支障を及ぼすことのないよう、引き続き市場の動向を注視していきたい」と述べました。