ロシア 天然ガス購入ルーブル支払いの大統領令 欧米や日本など

ロシアのプーチン大統領は、欧米各国や日本など、政府が「非友好的」と指定した国や地域に対して、4月1日から、ロシアから天然ガスを購入する際には、ロシアの通貨ルーブルでの支払いを義務づける大統領令に署名し「支払いが行われない場合、既存の契約は停止される」と警告しました。

一方、大統領令では「非友好的」な国の企業などはロシアの銀行「ガスプロムバンク」にルーブルと外貨の口座を開くことが必要で、外貨で送金すれば、この銀行がルーブルに両替して支払われる仕組みだとしていて、外貨で支払う道を残したものとみられます。

ウクライナへの軍事侵攻で西側の各国がロシアに厳しい経済制裁を科したことで、ルーブルは大幅に値下がりしていて、プーチン政権としてはルーブルを買う必要がある仕組みにすることで相場を支えるねらいもあるとみられます。

天然ガスの輸入に占めるロシアの割合が高いドイツのショルツ首相は、3月31日に行われた会見で「契約には、ユーロでの支払いと記されている。ユーロで支払いを続けられるというプーチン大統領の説明を詳しく確認するが、いずれにしても、企業はユーロでの支払いを望み、そうすることができ、そのように支払う」と述べ、ロシアは契約を守り、支払いは通貨ユーロで行われるべきだという考えを改めて強調しました。

G7=主要7か国は、3月28日、ルーブルでの支払いを求めるプーチン大統領の要求は契約違反だとして拒否することで一致していて、ロシア側の決定を受けて各国がどのように対応するのかが焦点です。