軍事侵攻を容認? ロシアの友人のメッセージに懸念 北海道

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシア。そのロシアに住む友人と連絡を取り続けている男性が北海道釧路町にいます。

男性は、侵攻が長期化する中で友人たちのメッセージに表れた“ある変化”に懸念を強めています。

釧路町に住むロシア語の講師、佐久間陽介さんは以前、サハリンの大学に留学し、ロシアのサンクトペテルブルクの日本総領事館で勤務した経験もあって、今でもロシア人の友人6人と連絡を取り合っています。

軍事侵攻が始まった2月下旬、友人たちからは「ロシアの多くの人々はこの戦争を支持していないということをみんなに伝えてほしい」などと侵攻に反対するメッセージが寄せられていました。

その後、プーチン政権は国内での戦争反対の声の高まりに神経をとがらせ、3月上旬に法律を改正し、言論統制を強めました。

佐久間さんによると、それから友人たちのメッセージの内容に変化が見られたといいます。

このうち、友人の1人が職場の同僚4人に聞いた意見だとして送ってきたメッセージには「プーチン大統領はロシアを正しい方向へと導いてくれている」「誰も戦争は望んでいない。しかし、この戦いに勝利するのはどう考えてもロシアだ」といった趣旨の内容が書かれていました。

ロシア国内では言論統制を強める法改正後も反戦を訴える動きが見られました。

こうした中、身近な友人までもが軍事侵攻を容認するかのような投稿をしてきたことに、戸惑いを感じています。

佐久間さんは、こうした変化に「たった1か月かそこらの期間で市民の意見を国がコントロールし始めていると思うとすごく憤りを感じました」と話していました。
佐久間さんは一日も早い停戦を願い、みずからデザインしたTシャツの売り上げの一部をウクライナへ寄付するチャリティーの取り組みに参加しています。

佐久間さんがデザインしたTシャツには、ロシアの未来のためにも早く戦争を終わらせてほしいというメッセージがロシア語でつづられています。

佐久間さんは「戦争が終わってほしいということに尽きますが、ロシアを愛するいち日本人として、いちロシア語講師としてできる範囲で行動をとっていきたいと思います」と話していました。