東京 新型コロナ 12人死亡 8226人感染確認 先週より600人余減

東京都内の3月31日の感染確認は8226人で、1週間前の木曜日より600人余り減り、前の週の同じ曜日を5日ぶりに下回りました。
また都は、感染が確認された12人が死亡したと発表しました。
一方、2月に感染を確認したと発表していた人のうち、234人は再検査で陰性が確認されるなどしたとして、新規陽性者から削除し、人数を訂正しました。

東京都は3月31日、都内で新たに「10歳未満」から「100歳以上」までの合わせて8226人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

1週間前の木曜日より600人余り減り、5日ぶりに前の週の同じ曜日を下回りました。

また、31日までの7日間平均は7529.9人で、前の週の118.5%でした。

100%を超えるのは3日連続です。

31日に確認された8226人を年代別に見ると「20代」が最も多く、全体の21.3%に当たる1756人でした。65歳以上の高齢者は403人で全体の4.9%でした。
感染経路が分かっているのは3172人で、このうち最も多い「家庭内」は2239人と70.6%を占めています。

これまでの都の基準で集計した、人工呼吸器かECMO=人工心肺装置を使っている重症の患者は、31日時点で、30日と同じ32人でした。

また、都は、感染が確認された30代から80代の男女合わせて12人が死亡したと発表しました。

12人のうち感染経路が分かっているのは5人で、このうち、家庭内が3人、病院内とデイサービスがそれぞれ1人でした。

また、12人のうち11人は基礎疾患がありました。

一方、都は、2月に感染を確認したと発表していた人のうち、234人は再検査で陰性が確認されるなどしたとして新規陽性者から削除し、人数を訂正しました。

専門家「『BA.2』半数超 感染再拡大の危険性高い」

東京都内の感染状況などについて、都の専門家による分析結果が公表されました。

感染力がより高いとされる「BA.2」の系統の疑いがあるウイルスの割合が半数以上となり、専門家は「感染の再拡大の危険性が高いと思われる」として、危機感を示しています。

東京都は、専門家が出席して毎週、開いていた「モニタリング会議」を「まん延防止等重点措置」が終わったことから月に2回とし、31日は会合は開かず、分析結果を公表しました。

この中で専門家は、都内の感染状況の警戒レベルを最も深刻なレベルで維持し、「感染の再拡大の危険性が高いと思われる」としました。

公表された分析結果によりますと、新規陽性者の7日間平均は、2月上旬をピークに減少が続いていましたが、3月30日時点では、前の週の1.2倍余りの7419.0人となり、増加に転じています。

また都のスクリーニング検査では3月21日までの1週間で、オミクロン株のうち感染力がより高いとされる「BA.2」の系統の疑いがあるウイルスが新規陽性者の52.3%となり、初めて半数を超えました。

専門家は「年度末前後のイベントによる人の移動や接触機会の増加、それに『BA.2』への置き換わりなどによる急激な感染の再拡大に警戒する必要がある」と指摘しました。

一方、医療提供体制の警戒レベルは4段階のうち、上から2番目で維持し、「通常の医療が制限されている状況である」と分析しました。

専門家は、救急医療は第6波が収束しないことによって深刻な影響が残っているとしています。

また、入院患者や重症患者は減少しているものの、高齢者の割合はいまだに高い値で推移していると指摘しました。

3回目のワクチン接種 高齢者80%超も 若い世代は低い

東京都内の新型コロナワクチンの3回目の接種率は3月29日時点で65歳以上の高齢者が80%を超えた一方、20代、30代は30%以下にとどまっていて、都は、積極的に接種を検討するよう呼びかけています。

東京都によりますと、29日時点で都内の3回目のワクチン接種率は、全人口でみると41.6%でした。

年代別で見ると、
▼65歳以上の高齢者は80%を超えて80.4%となった一方、
▼20代は22.7%、
▼30代は27.0%などと若い世代では低い水準にとどまっています。

都の担当者は「ワクチンの追加接種は、重症化を防ぐ効果なども期待されている。これから3回目の接種の対象になる人たちには、ぜひ積極的に接種を検討してもらいたい」と話しています。