アメリカ 核兵器の使用条件を厳格化せず 歴代政権方針を維持

アメリカ国防総省の高官はバイデン政権の新たな核戦略の指針について、核兵器の役割を核攻撃に対する報復などに限定せず、歴代政権が示してきた方針を維持したと明らかにしました。

アメリカの核戦略をめぐっては、バイデン大統領が大統領に就任する前、核攻撃の抑止と報復が核兵器の唯一の目的であるべきだという考えを示していたことから、新たな核戦略の指針となる「核態勢の見直し」の中で、核使用の条件を厳しくするのかが焦点となっていました。

こうした中、アメリカ国防総省は29日、その概要を公表し、核の抑止力の維持は最優先事項だとしたうえで「アメリカや同盟国などの死活的な国益を守るという極限の状況でのみ核使用を検討する」と明記しました。

これについてアメリカ国防総省のワランダー国防次官補は30日、議会下院の公聴会で、使用条件を従来よりも厳しくしたのかと問われたのに対し「今回の核戦略の文言は核攻撃にのみ適用されるものではない」と述べて、核攻撃に対する報復などを唯一の目的とはしていないという認識を示しました。

そのうえで使用条件の厳格化は採用せず、歴代政権が示してきた方針を維持したと明らかにしました。

アメリカなどのメディアはロシアや中国の核の脅威が高まる中、核の抑止力の低下を懸念する同盟国からの圧力が強まっていたと伝えていて、バイデン政権としてはこうした意向も踏まえたものとみられます。