対ロ制裁 最恵国待遇の撤回法案提出へ サケなど関税引き上げ

政府はロシアへの制裁強化に向けて「最恵国待遇」と呼ばれる貿易上の優遇措置を撤回するための改正法案を今の国会に提出する方針です。これによってロシアから輸入しているサケやいくらなどの関税が引き上げられます。

政府はロシアへの制裁として貿易上の優遇措置などを保障する「最恵国待遇」を撤回するため、関税暫定措置法の改正案を今の国会に提出することを目指しています。

「最恵国待遇」はWTO=世界貿易機関の協定の基本原則の1つで、関税などでいずれかの国に与える最も有利な待遇をほかのすべての加盟国にも与えなければならないとするルールです。

改正案が成立すれば、これまでロシアからの輸入品に適用されていたWTOルールによる低い関税が撤回されます。

具体的にはロシアから輸入する多くの木材の関税は4.8%から8%に引き上げます。また魚介類のうちサケやいくらは3.5%から5%に、カニは4%から6%などに引き上げます。

これらの税率は来年3月末までの期間、維持される見通しです。

一方、LNG=液化天然ガスやパラジウム、石炭や原油などはもともと無税でこの措置でも税率は変更されません。

政府はWTO上の基本的なルールを撤回することでG7=主要7か国と足並みをそろえロシアへの厳しい姿勢を示す考えです。