中国 上海 29日の市中感染6000人近くに 外出制限長期化懸念も

新型コロナウイルスの感染が拡大している中国最大の経済都市 上海では29日、市中感染が確認された人が6000人近くに上り、住民の間で厳しい外出制限の長期化を懸念する声も出ています。

中国では、新型コロナウイルスの感染が全土で拡大していて、29日一日の市中感染は、無症状の人も含めて8655人確認され、中でも上海が最も多く5982人に上りました。

上海では、東部の地域で28日から4月1日までの予定で厳しい外出制限が行われていて、西部の地域でも4月1日から5日まで同様の措置が取られる予定です。

一方、上海市当局は、中小企業などを対象に税金の還付や減免を行ったり、国有の不動産に入居する企業の賃貸料を免除したりするなどの支援策を発表しています。

ただ、徹底して感染を抑え込む「ゼロコロナ」政策による消費の停滞が、経済を減速させる要因となっている中で、中国最大の経済都市・上海で続く感染拡大に懸念も強まっています。

日本人駐在員「できるだけ早く解放を」

上海での外出制限について、東部の浦東新区に住む岡三証券 上海駐在員事務所の酒井昭治所長は「上海の東側ではおとといから実質的なロックダウンが行われていて、部屋から一歩も出られなくなっている。窓の外を見ても、走っているのは配送の車両だけだ」と話していました。

また、現時点で地元政府からの支援はなく、食料などは事前に準備していたものに加え、マンションの住民どうしでグループ購入して入手したもので乗り切っているということです。

一方、酒井さんのマンションは、濃厚接触者が確認されたことなどを理由に、全域の外出制限が発表される前の今月15日から封鎖されていて、途中、2日間は外出が許されたものの、ほぼ2週間にわたって自宅での隔離が続いているということです。

酒井さんは「新たな感染者が急速に増えているので、その数が落ち着かなければ、外出制限が長引く可能性もあると思う。できるだけ早く解放してほしい」と話していました。