東京電力 経営層も核物質防護の情報共有へ 原発テロ対策強化で

新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所で、去年、テロ対策の不備が相次いで明らかになったことを受けて、東京電力は、核物質防護にかかわる秘密情報を現場と共有できるよう経営層も必要な資格を取ってこれまで以上に実態の把握に努めることになりました。

柏崎刈羽原発では、テロ対策をめぐる重大な不備が相次いで判明し、去年、原子力規制委員会から核物質防護などの観点で最も深刻なレベルにあたるとする評価が出されています。

東京電力は、規制委員会に提出した報告書で、現場の具体的な情報を把握できていなかったことが今回の問題における原因の一つだとしていて、経営層も現場の実態把握に乗り出すことになりました。

核物質防護上の秘密情報は、国の法律に基づいて面接や適正検査などを受けて資格を取得した、限られた人間しか扱えませんが、東京電力は、小早川智明社長と原子力・立地本部長で柏崎刈羽原発の稲垣武之所長が新たに資格を取り、秘密情報を現場と共有できるようにしたということです。

東京電力は核物質防護上のトラブルなどが起きた際の情報収集や報告の仕組みなどの見直しを進めていて、規制委員会の審査で認められれば経営層を含む新たな態勢でテロ対策に取り組むことにしています。

柏崎刈羽原発所長「一歩一歩見直しに努めたい」

東京電力柏崎刈羽原発の稲垣武之所長は「去年相次いで発覚した不備ではテロ対策のリスクを十分に管理できておらず、幹部も含めた管理職以上が現場の実態を適切に把握できていなかった。協力企業の人たちを含む現場の考え方や行動を対話を通じて把握し、放置せず改善することが重要で一歩一歩見直しに努めたい」と話しています。

専門家「ほかの電力会社も見習うべきだ」

東京電力の取り組みについて、核セキュリティーに詳しい公共政策調査会の板橋功研究センター長は「核物質防護にかかわる情報は秘密にしなければならない内容が多く、トラブルなどが発生した際、社長や経営層に報告して判断を仰ぐことができない、“アンタッチャブル”な世界だった。秘密漏えいの機会を広げすぎない範囲で経営層が資格を取得し、秘密情報が扱えることによって核セキュリティーへのチェック体制が整うことになるわけでほかの電力会社も見習うべきだと思う」と指摘しました。

そのうえで「秘密にあたる部分はしっかり守秘義務を守り、秘密にあたらない部分は、積極的なコミュニケーションが必要になってくる。東京電力は改善に向けて着実に進めることが必要だ」と指摘しています。