マリウポリ離れた男性「死を待つしかないという気持ちだった」

ウクライナ東部のマリウポリを3月中旬に離れた男性は、ロシア軍の激しい攻撃で一緒に避難生活を送っていた人たちも犠牲になる日々の中「砲弾の痕を見ると怖くなり、死を待つしかないという気持ちでした」と追い詰められていた当時の心境を語りました。

マリウポリ出身の22歳の男性は、多くの人が避難していた劇場がロシア軍に攻撃を受ける前日にマリウポリを離れました。

それまで男性は劇場から歩いて10分ほどの場所にある教会に避難していましたが、すでにロシア軍の攻撃は激しさを増していて「朝6時に、教会を出た3人が亡くなりました。近くの川に水をくみに行っている時、ロシア軍の爆撃を受けたのです」と、一緒に避難生活を送っていた身近な人たちも相次いで犠牲になったと話しました。

教会周辺では連日、砲撃が続き「砲弾の痕を見ると怖くなり、死を待つしかないという気持ちでした」と追い詰められていた当時の心境を語りました。

家族とマリウポリから車で脱出する時の状況について「ロシア軍に囲まれていたので逃げ道は1つしかありませんでした。銃声が聞こえる中、渋滞が7キロくらい続いていました」と、多くの人たちが急いで町を出ようとしていた様子を説明しました。

車で走っている間も銃声と爆発音が聞こえ、多くの車両などが破壊されているのを目にしたということです。

男性は今は西部リビウ近くの村にある知り合いの家に身を寄せていますが、マリウポリにいる祖父母とは連絡が取れない状況が続いているということです。