高校野球 大阪桐蔭 HR6本 17対0で市和歌山に勝利 ベスト4進出

センバツ高校野球は大会9日目。準々決勝の第4試合は大阪桐蔭高校が市立和歌山高校に17対0で勝ち、4年ぶりにベスト4に進出しました。

    |123|456|789|計   
大阪桐蔭|200|048|300|17   
市和歌山|000|000|000|0

大阪桐蔭は2回戦の相手だった広島商業がチーム内で新型コロナウイルスの感染が広がったとして大会途中で出場を辞退したため不戦勝となり、28日の準々決勝が今大会2試合目となりました。

打線は1回に2点を先制し、6回には1番の伊藤櫂人選手が1イニングで2打席連続でホームランを打つなど、チームとして大会記録に並ぶ6本のホームランをマークして大量リードを奪いました。

投げては、大会注目のピッチャーの1人、2年生の前田悠伍投手が初登板し、緩急を生かしたピッチングで6回まで12個の三振を奪ってヒット1本、無失点と好投しました。

大阪桐蔭は17対0で勝ち、春夏連覇を果たした平成30年以来、4年ぶりにベスト4に進出しました。

一方、市立和歌山は、今大会2試合連続で完投勝利をあげたエースの米田天翼投手が、2人目で登板しましたが、大阪桐蔭の打線の勢いを止められず、57年ぶりのベスト4進出はなりませんでした。

大阪桐蔭 ホームラン6本 PL学園の1試合最多に並ぶ

大阪桐蔭高校は準々決勝でチームとして6本のホームランを打ち、清原和博さんや桑田真澄さんを擁した大阪のPL学園が38年前に記録したチームの1試合最多ホームラン記録に並びました。
大阪桐蔭は、市立和歌山高校と対戦した準々決勝で5回に2番の谷口勇人選手がソロホームラン、キャプテンで7番の星子天真選手がスリーランホームランを打ちました。

続く6回には1番の伊藤櫂人選手がソロホームラン、代打の工藤翔斗選手がツーランホームラン、さらに伊藤選手が2打席連続のホームランとなるツーランを打ちました。
そして、7回にも5番の海老根優大選手がツーランホームランを打ち、チームとして6本のホームランを記録しました。

チームとして1試合に6本のホームランを打ったのは、大阪のPL学園が38年前、1984年の大会の1回戦で北海道の砂川北高校から記録した以来となります。

この試合では、当時2年生だった桑田さんが2本のホームランを打ったほか、清原さんもホームランを打ちました。

また、6回に記録した1イニング3本のホームランも福岡の九州国際大付属高校が2011年の大会で残した最多記録に並びます。

さらにこの回、伊藤選手が2打席連続で打った1イニング2本のホームランは、センバツでは初めてです。

大阪桐蔭 西谷監督「強くなって準決勝に臨みたい」

大阪桐蔭の西谷浩一監督は、大会記録に並ぶ6本のホームランを打ったことについて「びっくりしています」としたうえで、「長打を打てるチームではありませんが、粘り強くボールを引きつけて相手のピッチャーに合わせてくれました」と振り返っていました。
また、2回戦で対戦する予定だった広島商業が新型コロナの感染が広がったとして辞退したことを踏まえ「試合ができることがありがたく心を込めてやろうと話していました。勝って力をつけていくのが甲子園で、1試合なくなってリズムを作るのが難しかったですが、選手たちが乗り越えてくれました」とたたえていました。
そのうえで、「ここまで来たら強いチームばかりで、あすは休養日で練習できるので、強くなって準決勝に臨みたいです」と意気込みを示しました。

2打席連続HR 大阪桐蔭 伊藤「自分でも驚いている」

1イニングで2打席連続のホームランを打った大阪桐蔭高校の伊藤櫂人選手は「試合前まで調子が悪く、打席の中で迷いがありました。しかし、ヒットの延長線上で打ったら結果的に2本もホームランになり、自分でも驚いています」と話していました。

市和歌山 米田投手「自分の仕事ができず悔しい」

前日の試合で141球を投げて完投したあと、この試合は5回から登板した市立和歌山高校のエース、米田天翼投手は28日のピッチングについて「5回のあの場面でマウンドに行って、無失点に抑えてチームに流れを作っていくのがエースだと思っていたんですが自分の仕事ができなくて悔しいです」と振り返りました。

また、大阪桐蔭から3本のホームランを打たれたことについては「少し浮いたボールを簡単にホームランにされたので低めのコントロールが課題です。冬のトレーニングの成果が出た部分もありましたが今後もまだまだ突き詰めてやっていきたいです」と話していました。

市和歌山 半田監督「悔しさを逆手に夏へ」

市立和歌山高校の半田真一監督は無得点だった攻撃について「ストレートにあわせて行きたかったですが、簡単に2ストライクを取られてしまい、攻略の糸口をつかめませんでした」と振り返りました。
また、1回戦と2回戦を完投した米田天翼投手ではなく、淵本彬仁投手を先発に起用したことについては「きょう米田でいくと米田にしか頼れなくなると思いました。初の甲子園が大阪桐蔭相手のプレッシャーがあったと思いますが、夏は淵本にも投げてほしいし、そういう思いで先発させました」と話していました。
準々決勝まで勝ち進んだことについては、「ここまで勝ち進めるとは思っていなかったです。強豪校と戦う姿に成長も感じられたので、悔しさを逆手にいちから夏に向かってやっていきたいです」と話し、今後に気持ちを切り替えていました。

大阪桐蔭 西谷監督 甲子園通算59勝 歴代2位に

大阪桐蔭の西谷監督は、甲子園での通算勝利数が春夏合わせて「59」となり、同じ大阪のPL学園を率いた中村順司さんを上回って単独2位となりました。
西谷監督は、「PL学園や中村さんを大きな目標にしてきました。その数字を上回ったから勝ったというわけではなく、まだまだ足もとに及びませんがいつか中村さんのような監督になりたいと思っていますので、もっと努力していきたい」と話しています。
通算勝利数が歴代で最も多いのは、智弁和歌山高校を率いた高嶋仁さんで「68勝」をあげています。
また、西谷監督は監督として春夏の甲子園で歴代最多となる8回の優勝を数え、2018年には史上初めてとなる2回目の春夏連覇も果たしています。

大阪桐蔭 “変化球を徹底して狙う”

1試合の最多記録に並ぶ6本のホームランをマークした大阪桐蔭高校。相手の投手陣が打たせに来る変化球を徹底して狙う意識が記録につながりました。

大阪桐蔭は今大会の注目ピッチャーの1人、米田天翼投手を含む、市立和歌山の投手陣から6本のホームランを打ち、このうち4本が変化球を打ってのホームランでした。

5回にチーム1本目のホームランで口火を切った谷口勇人選手と、記録に並ぶ6本目のホームランを打った海老根優大選手は、西谷浩一監督から直接、「変化球をたたけ」と指示されました。

このうち、谷口選手は、西谷監督から「まっすぐを見せ球に変化球で打たせて取るピッチャーが多いのでその変化球を狙え」と説明されたといいます。

その変化球をきっちりしとめた谷口選手は公式戦で初めてのホームランで、「自分でもびっくりした。変化球をたたいて飛距離を伸ばせと言われて、ヒットの延長戦でいいバッティングができた」と笑顔を見せていました。

また、センバツでは初となる1イニング2本のホームランを打った伊藤櫂人選手もコーチと相談して狙い定めた変化球を5回に捉えてホームランを打ちました。

西谷監督とホームランを打った選手は試合後にそろって「打てないチームなのでびっくりしている」と驚きましたが、狙い球を徹底しきっちり捉えるバッティングが、38年前のPL学園に並ぶ記録につながりました。