燃料価格 高騰「新電力」の事業撤退相次ぐ

天然ガスなどの価格が高騰し電気料金が高止まりする中、「新電力」と呼ばれる電力の小売事業を行う会社が事業からの撤退を余儀なくされるケースが相次いでいます。

このうち北海道と沖縄県、北陸を除く地域で電力の供給を行っている「エルピオでんき」は、4月末ですべてのサービスを停止すると発表しました。

おととし12月以降、発電用の天然ガスの不足などによって電力の市場価格の高騰が続いていましたが、ロシアによるウクライナ侵攻によって一段と価格が上昇したため料金の維持が困難になったとしています。

契約している顧客は家庭用と企業用であわせておよそ15万7000件にのぼるということで、会社では別の「新電力」に事業を引き継ぐとしています。

このため、契約者が電力の供給を受け続けるためには小売事業者を切り替える必要があります。

3月23日には福岡市の新電力「ホープエナジー」が資金繰りの悪化によって裁判所に破産手続きの開始を申し立てる準備に入ったことが明らかになっていて、経済産業省によりますと、去年1月から3月25日までに15社の新電力が事業から撤退したということです。

経済産業省は今後も事業から撤退する会社が増える可能性があるとして新電力が価格の変動にどれだけ耐えられるかの調査の実施を検討することにしています。