首相 ウクライナの避難民受け入れ準備加速する考え 参院決算委

岸田総理大臣は、参議院決算委員会でウクライナからの避難民の受け入れを進めるため、近くみずからの特使として、古川法務大臣をポーランドに派遣して受け入れのための準備を加速していく考えを示しました。

午前の審議では、自民党と立憲民主党が質問を行いました。

自民党の足立敏之氏は、ウクライナからの避難民の受け入れについて、「避難民は1000万人を超えており、およそ4人に1人が避難を強いられている。国外に逃れた人の数は、今月19日現在、およそ339万人と言われているが、ポーランドには200万人を超える避難民が出ており、わが国としてどのように貢献していくのか」と質問しました。

これに対し、岸田総理大臣は「今月2日以降、25日までに204人の避難民を受け入れた。松野官房長官のもとに連絡調整会議と関係省庁によるタスクフォースを設置し、体制を強化した。またポーランドに避難民支援チームを設け、古川法務大臣を総理特使として近く派遣し、受け入れの作業を促進する」と述べました。
立憲民主党の古賀之士氏は「ウクライナのゼレンスキー大統領が先日、日本に向けて演説した。岸田総理大臣も強い大統領の決意と勇気を感じたとのことだが、この中でロシア軍に資金が流れないようロシア市場から日本企業を引き上げるよう求められたが、この要請にどう応えるか」とただしました。

岸田総理大臣は「民間企業の置かれている状況は、極めて多様なものがある。まずは企業判断や経営判断があるが、企業としっかり意思疎通を図ることや現状を把握することが重要で民間企業とともに今後、適切な対応を考えていきたい」と述べました。

ロシアに対する制裁措置について

また岸田総理大臣は、ロシアに対する制裁措置について「措置の抜け道があってはならない、与えてはならないという考え方がG7=主要7か国の首脳会議で確認された。暗号資産を用いたロシアの制裁回避について制裁の実効性をさらに強化すべく、外国為替及び外国貿易法の改正を今国会に出すべく準備を進めたい」と述べました。

G20へのロシアの参加について

ことし11月にインドネシアで行われる予定のG20=主要20か国の首脳会議へのロシアの参加について、岸田総理大臣は「G7=主要7か国の首脳会議で国際機関や多国間フォーラムはこれまでどおりにロシアとの間で活動を行うべきではないという点で一致した。議長国のインドネシアをはじめG20メンバーと議論しなければならず、今後の情勢をよく踏まえたうえで、日本としても適切に対応していくことを考えていかなければならない」と述べました。

北朝鮮のミサイル発射について

一方、岸田総理大臣は、今月24日の北朝鮮によるICBM=大陸間弾道ミサイル級のミサイルの発射について「事前の通報もなく、わが国本土からおよそ150キロのEEZ=排他的経済水域内に着弾させたものであり極めて問題のある危険な行為だ。海上の船舶などに対する迅速な情報提供に努めるとともに、安心して操業できる環境を構築していかなければならない」と述べました。

地震で被害を受けた事業者支援について

さらに岸田総理大臣は、今月16日に宮城県と福島県で震度6強の揺れを観測した地震で被害を受けた事業者への支援をめぐり「本日、二之湯・防災担当大臣から、被害状況と復旧の進捗(しんちょく)状況について報告を受け、私から、自治体からの要請も踏まえて『グループ補助金』など去年並みの支援策を速やかに取りまとめるよう指示した」と述べました。