成人年齢引き下げ 18歳19歳の新成人5割近くが不安 NHK調査

成人年齢の引き下げに伴い、来月1日で新たに成人となる18歳と19歳にNHKがアンケート調査を行ったところ、成人になることに楽しみより不安を感じていると答えた人は5割近くに上り、具体的な不安として「実感がないこと」を挙げた人が多くなりました。

成人年齢が20歳から18歳に引き下げられるのを前に、NHKは今月上旬にインターネット上でアンケート調査を行い、来月1日時点で18歳・19歳の新成人1034人と、子どもが18歳・19歳の保護者1062人から回答を得ました。

この中で来月から成人になることについて聞いたところ、
新成人では
▽「楽しみ」「どちらかと言えば楽しみ」という回答が37%
▽「不安」「どちらかと言えば不安」が47%
▽「わからない」が16%でした。

保護者では、子どもが成人になることに不安を感じていると答えた人が合わせて61%と、新成人より10ポイント以上高くなりました。

成人年齢の引き下げで、18歳・19歳はクレジットカードやローン、部屋を借りるといった契約が親の同意がなくてもできるようになる一方、契約を取り消せる「未成年者取消権」が使えなくなります。

こうした中「やってみたいこと」を複数回答で聞いたところ、
新成人は、
▽「クレジットカードをつくる」が最も多く45%
▽「アルバイト」が37%
▽すでに18歳以上が可能になっている「選挙での投票」をあげた人が22%などとなりました。

保護者は「やってほしいこと」として、
▽「投票」が54%と最も多く
▽「アルバイト」が38%
▽「保護者からの自立」が33%と続きました。

一方、「不安に思うこと」を複数回答で聞いたところ、
新成人では
▽「実感がない」が48%と最も多くなったほか
▽「マルチ商法などに関するトラブル」が34%
▽「クレジットカードなどでの高額な買い物」が27%と続きました。

保護者では
▽「トラブル」や▽「高額な買い物」を挙げた割合が新成人をおよそ20ポイント上回っています。

18歳で成人になる準備ができているか聞いたところ
▽「できている」と感じている人は新成人、保護者ともにおよそ4割
▽「できていない」と感じている人はともにおよそ6割となりました。

高校生「早い」「実感わかず」

4月から高校3年生になり、来年度中に新たに成人となる都内の高校生からも「実感がわかない」という声が多く聞かれました。

来月18歳の誕生日を迎えて「新成人」となる女子生徒は「引き下げについてはニュースなどを見て知っていますが、全く実感はわいていません。消費者トラブルに巻き込まれると大変なので18歳から気を引き締めていきたい」と話していました。

同じく来月で18歳になる男子生徒は「18歳で成人は早いなと思いました。これまでできなかった契約も自分でできるようになるのはすごいなと思います。自分のことはしっかりできる大人になりたいです」と話していました。

別の男子生徒は「成人は20歳だとずっと思ってきていたので、急に18歳からと言われても実感がわきません。自分の身は自分で守れるようにしっかり勉強して、いい大人になりたいと思います」と話していました。

専門家「新成人支える議論を」

アンケートの結果について弁護士で社会科の教員でもある兵庫教育大学大学院の神内聡 准教授は「私が教えている生徒にも実感がわかないという人が多い印象です。高校生で生計を立てている人もいますが、ほとんどは親から経済的に自立していないため、在学中の18歳で大人になると言われても実感がわかないのが現状だと思います」と話しています。

そのうえで「100年以上続いてきた制度が変わるため社会に与える影響は小さくないと思います。新成人がどのような知識を身につければよいのか、どのような可能性があるのか、教育現場だけでなく社会全体でさまざまな角度から新成人を支えていく議論が必要だと思います」と指摘しています。

そして、4月を迎えるに当たり「大人になる当事者の人たちには自立心や責任感を育むよい機会にしてもらい、親は、子どもが自分だけの意思で契約できるようになることなどを踏まえた、家庭でのコミュニケーションが大切だと思います」と話していました。