EU 大手IT企業の規制強化へ「デジタル市場法」導入で合意

EU=ヨーロッパ連合は、大手IT企業の規制を強化する「デジタル市場法」の導入について合意しました。グーグルやアマゾンといったアメリカの巨大IT企業などの影響力を抑え、中小企業の成長を促すねらいがあると見られます。

EUは、グーグルの持ち株会社のアルファベットや、アップル、メタ、アマゾンといったアメリカの巨大IT企業などを念頭に、自社の検索サイトやSNSを利用して公正な競争をゆがめているとして、その影響力を抑えるため規制を強化する法案について検討してきました。

24日に合意が発表された「デジタル市場法」では規制の対象として時価総額が750億ユーロ以上、日本円でおよそ10兆円、もしくはEU域内での年間の売上高が75億ユーロ以上、または1か月間の利用者が4500万人以上いるIT企業などとしています。

そして、こうした企業に対し、同業他社も利用する自社のサイトで自社のサービスを優先的に表示することや、利用者の同意なしにサイトの閲覧履歴などを元にその興味や関心に沿った広告を配信することなどを禁止し、違反した場合は年間売り上げの最大10%にあたる罰金を科すことができるなどとしています。

法律はヨーロッパ議会などの承認を経て、ことしの秋にも施行される見通しです。

EUの執行機関、ヨーロッパ委員会のベステアー執行副委員長は声明で「大手IT企業のプラットフォームは、ほかの企業や消費者が競争的なデジタル市場の恩恵を受けることを妨げてきた。今回、私たちは公正で開かれた競争可能な市場に大きく近づいた」としています。

アップル グーグルからは懸念も

EU=ヨーロッパ連合が「デジタル市場法」の導入で合意したことについて、アメリカのIT大手アップルは「特定の条項が、利用者にとってプライバシーやセキュリティ上の不必要なぜい弱性を生み出すのではないかと懸念している」などとコメントしています。

また、グーグルは「『デジタル市場法』の、消費者の選択肢の幅を広げようとする姿勢や相互運用性に対する熱意は支持する」とした一方で、「イノベーションに対する潜在的なリスクについては、引き続き懸念を抱いている」などとしています。