日本海南西部の大地震 海域活断層対象の評価初公表 地震調査委

中国地方から九州北部にかけての日本海南西部にかけての沿岸で起きる大地震について、政府の地震調査委員会は、海域の活断層を対象にした評価を初めて公表しました。
37の活断層が認められ、今後30年以内にマグニチュード7以上の大地震が起きる確率は全体で10%前後に上るとしています。

政府の地震調査委員会は、これまで全国の主要な活断層や海溝型地震を対象に地震の規模や発生確率を公表しています。

今回、鳥取県沖から長崎県沖にかけての日本海南西部を対象に、海域にある長さ20キロ以上の活断層の評価結果を初めて公表しました。

それによりますと、最新の研究から合わせて37の活断層が認められ、
▽鳥取県沖と島根県東部沖の「東部区域」で11、
▽島根県西部沖と山口県北方沖の「中部区域」で17、
▽九州北方沖と九州北西沖の「西部区域」で9つあるとしています。

それぞれの地域ごとに今後30年以内にマグニチュード7以上の大地震が起きる確率を推計した結果、
▽東部区域で3%から7%、
▽中部区域で3%から6%、
▽西部区域で1%から3%で、
全体としては8%から13%になると評価しています。

ただ、海域では調査データが限られているため、過去の地震の発生間隔などは大きな誤差を含んでいるうえ、深さ5キロから10キロ程度では評価できていない活断層が存在する可能性もあり、わずかな時間で津波が到達するおそれもあることから、さらなる調査や研究が望まれると指摘しています。

地震調査委員会の委員長で防災科学技術研究所の平田直参与は「海域で起きる地震では津波が起きる可能性があり、十分注意してほしい。海域にある活断層は陸と比べて調査が難しく、これまで地震の活動度を評価できなかったのが、最新の研究によって実現したことは重要だ」として、今後、ほかの海域の活断層についても評価を行う方針を示しました。

海域活断層 陸と比べ調査困難

海域の活断層については陸地と比べると調査が進んでおらず、実態がまだ十分に解明されていません。

活断層の調査は、できた地層のずれなどを確認し、過去の地震の規模やメカニズム、発生間隔を分析します。

陸地では断層を横切るように「トレンチ」と呼ばれる溝を掘って地層を直接観察したり、ボーリングや人工的な振動をもとに地下の構造を調べます。

一方、海域の活断層は地層のずれが海底にあり、直接観察することができないため、断層の状況を把握するのが難しく、詳細な分布はあまり知られていませんでした。

しかし、東日本大震災を受けて海域の活断層が多い日本海側を中心に調査が進められています。
このうち、東京大学などが中心となった「日本海地震・津波調査プロジェクト」では2020年度までの8年間にわたり、沖合から沿岸域にかけて広域の調査を行いました。

船に積んだ「エアガン」と呼ばれる特殊な装置で振動を発生させ、海底から跳ね返ってきた反射波を計測することで海底の構造を調べ、これまで知られていなかった断層を突き止めました。

地震調査委員会は今回、こうした最新の調査や研究結果をもとに海域の活断層の評価を公表し、今後、ほかの海域の活断層についても評価を進めるということです。